HBMの容量とMXUが倍増された
第3世代Google TPU
Google TPU v2をベースに、さらに高速化を図ったのが2018年のGoogle I/Oで発表されたGoogle TPU v3となる。基本的な設計は共通だが、HBMの容量とMXUが倍増され、動作周波数もやや引きあがったらしい。
チップあたりの性能は120TFlops(=120TOP/s)になるが、Goole TPU v2に比べてもはるかに大規模なPodが構築可能となり、8ラックで100PFlopsを超える性能が実現できたとしている。
![](/img/2020/05/31/3050044/l/d4416dd0cfa8fa9f.jpg)
水冷によって高密度実装が可能になったためか、8行4列から16行2列に並べ方が変わったものの、引き続きラック当たり32枚のボードが搭載され、これが8ラックで256枚、チップで言えば1024個が搭載される。おのおのが120TFlopsなら122.9PFlopsほどとなる計算だ
このGoogle TPU v2/v3はGoogle Cloudで一般向けにもサービスを提供しており、(料金さえ払えば)誰でも使える。
AI専用プロセッサ-というものが実用になること、そして市場があることを示したのがGoogle TPUであり、現在もユーザーがそれと気が付かないところで広く使われているわだ。
ちなみにGoogleは2018年にEdge TPUというまっく異なるTPUもリリースしているが、こちらは稿を改めて触れることにしたい。
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