初代Google TPUの2倍の性能を誇る第2世代
以下、この2つのソースをもとに解説する。まずGoogle TPU v2の基本構成が下の画像だ。1つのチップに2つのダイが搭載され、おのおののダイに8GBのHBMが装着される構成になっている。
それぞれのコアの詳細は下の画像だ。MAC Unitは128×128と1/4のサイズになったが、その代わり一度に全ユニットの計算が可能になっている。
また16MBのVmemも搭載されている。加えて言えば、データ型も初代のINT 8からTPU v2ではBfloat16/FP32に切り替わった。推論だけならINT 8のままでいいのだろうが、学習に向けてはやはりもう少し精度というか桁数が欲しい、というニーズに応えたものである。
ダイのフロアプランは下の画像がわかりやすい。MXUよりもVPU+Vmemの方がはるかに大きなエリアを占めているのがわかる。
PCIe Linkそのものはダイに1ヵ所か所で、このあたりだけ対称性が崩れている。製造プロセスやダイサイズなどは未公表だが、プロセスは時期的なものから考えるとTSMCの20nmではないかとみられている。動作速度は700MHz
またこのGoogle TPU v2の設計の最中に、Bach normalizationという論文が発表されている。この仕組みを、Google TPU v2ではハードウェアとソフトウェアでサポートすることで、学習速度を最大14倍にできたとしている。
ちなみにCloud TPU v2が64台のPodで11.5TFlopsとされているので、1台(つまり4チップ)あたり180TFlops、ダイ1個あたり45TFlopsという計算になる。
Google TPU v2では先にも書いたがBfloat16/FP32で計算しているので、処理速度はチップ1つあたり45TOP/秒という計算になり、これはおおむね初代Google TPUの2倍の性能に相当する。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ















