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余剰コンピューティングリソースを提供、HPCやバッチ処理、テスト/開発環境などに適する

マイクロソフト、最大90%安い「Azure スポットVM」一般提供開始

2020年05月14日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 米マイクロソフトは2020年5月12日(米国時間)、Microsoft Azureの公式ブログで「Azure Spot Virtual Machines(Azure スポットVM)」の一般提供開始を発表した。Azureの未使用コンピューティングリソース(余剰のサーバーキャパシティ)を使い、最大90%の割引価格で「Azure VM」や「VMスケールセット(VMSS)」を提供するサービス。

安価にAzure VMを利用できる「Azure Spot Virtual Machine(Azure スポットVM)」

 Azure スポットVMは、昨年(2019年)12月にプレビューリリースが発表されたサービス。競合であるAmazon Web Service(AWS)の「Amazon EC2 スポットインスタンス」と同様に、クラウドインフラが備える余剰のコンピューティングキャパシティを活用して、安価な仮想マシン(Linux、Windows Server)を提供する。ちなみに「最大90%」の割引率はAWSのスポットインスタンスと同等。

 スポットVMの価格は変動する仕組みのため、ユーザーはあらかじめ「支払い最大価格」を設定することができる。スポットVMの価格がこれを上回った場合、あるいはAzure側でスポットVM向けに提供できる余剰キャパシティがなくなった場合には、ワークロードのエビクション(「立ち退き」の意味)が発生し、処理は強制的に中断される(VMの割り当てが解除される)。

 したがって、スポットVMを利用できるのは「処理の中断に対応できる」「特定の時間内に完了する必要がない」ワークロードのみとなる。マイクロソフトでは、たとえば次のようなワークロードのコスト最適化に適しているとしている。

・HPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)のシナリオ、バッチ処理ジョブ、ビジュアルレンダリングのアプリケーション。
・継続的インテグレーション/継続的デリバリーワークロードを含む開発/テスト環境。
・大規模なステートレスアプリケーション。

 なお、従来VMSSでプレビュー提供されていた「低優先度VM」は今年2月に廃止され、このスポットVMに統合されている。

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