9月30日まで、HP Sure Click Proを無償提供
HPは自己修復型BIOSを開発し、NISTの標準として提案するなどハードウェアの保護に注力してきた。その後、2017年にはBromiumと提携し、「Sure Click」をハードウェアにバンドル。取り組みをアプリケーションのレイヤーにまで広げている。
また、危機管理に関して敏感な企業でもあり、新型コロナ禍の下、本社からの指示で早い段階から在宅勤務や出張規制を進めてきたという。日本のオフィスも現在クローズされているが、ICTはビジネスの継続について重要度が高いため、工場の稼働を続けている。
支援という意味では、在宅ワーク時のセキュリティ確保の意味合いを込め、「HP Sure Click Pro」を9月30日まで無償でライセンス提供している(対象はHP製品のユーザーだけでなく、他社製品を含む)。Sure Click Proは、ウェブサイトの閲覧時/電子メールや添付ファイルを実行する際に隔離環境を利用することで、セキュリティを保てる。
ほかにも、HPの3Dプリンターを活用し、DMM.comがフェイスシールドを1万セット生産し、無償提供したり、HP BioPrinterを提供し、ワクチンの開発などに役立ててもらう支援を実施しているそうだ。HPの3Dプリンターは、物流が困難な状況でサプライチェーンを確保するためにも活用されており、15万もの部品が印刷されているという。
日本HPの専務執行役員でパーソナルシステムズ事業統括の九嶋 俊一氏によると「PC端末の保護は5年ほど前まではウィルス対策が主流だったが、ゼロデイ攻撃が台頭し、侵害されることを前提とした検知と復旧へとトレンドが移っている。その中で注目されているのがEDRの技術だ」という。
しかし、「EDRは基本的に攻撃された後の措置であり、修復に手間がかかる面がある。また誤検知が多く、インシデントへの対応に追われる側面もある」という点も指摘。この点を考慮して、プロアクティブな保護をするのが日本HPのソリューションだと位置付けた。そのために、侵害される確率を減らすこと、安全な隔離環境内で侵害を食い止めることの2点が大切だとする。
なお、「SureStart」「SureRun」「SureAdmin」「SureRecover」「SureView」(オプション)といった、HP製品に無償でバンドルされているセキュリティ機能/セキュリティソフトについては、「Essential Security」という名称で、引き続き同社ハードウェアへの無償バンドルを進め、引き続き機能強化を進めるという。