TikTokの勉強垢は定点で勉強風景を撮影
以前、勉強専用のSNSアカウント、「勉強垢」についてご紹介したことがある。一日の学習時間や目標などを明記して勉強の記録を付け、同じ勉強垢同士で交流するアカウントのことだ。
主にTwitterやInstagramなどが多かったが、最近、TikTokにも勉強垢が多数登場している。「#勉強垢」は3億3000万再生される人気ぶりだ。今回は、TikTokの勉強垢についてご紹介していきたい。
TikTokの勉強垢は動画なので、スマホを定点に置いて勉強をしているところを録画しているものが多い。動画の中心は手とノートであり、顔などは映らず、ひたすら書く動画となっているものがほとんどだ。
デジタルやアナログの時計を画面に映るように置いて、時間の流れを演出する手法は定番のようだ。途中でおやつが登場して消えたり、飲み物が登場して消えたりしている他、文房具紹介やノートのとり方のコツ、勉強のコツなどを音楽に乗せて動画にまとめているものもある。また、勉強垢ではあるものの、気晴らしの動画化も存在する。
TikTokでは、「#男子勉強垢」も270万回再生される人気だ。こちらは女子ユーザーの勉強垢と比べて、モノトーンでシンプルなものが多い。動画にはテロップなどの文字情報を載せているものも多めだ。
TikTok勉強垢は「画面映え」「時計」が特徴
TikTokらしい特徴は、勉強している動画ながらも、背景のモノをかわいらしく並べるなど、明らかに「映える」動画を意識していることだ。ノートの写真ばかり並ぶInstagramの勉強垢よりも、むしろ見た目重視となっていることが多いのだ。
もう一つの特徴は、TwitterやInstagramの勉強垢は偏差値や点数、合格などの目標を掲げ、勉強法や勉強時間などについてプロフィールや説明に長々と文章で書いていることが多かったが、TikTokではそれがほとんど見られないこと。
他のSNSの勉強垢と同様「#勉強垢と繋がりたい」などのハッシュタグはあるが、文章があまり読まれない動画系SNSのため、文章が少なくなっているようだ。「ほぼ自己満足の勉強垢だけど、リムらないで」。そのような文章を付けて投稿している勉強垢は多い。
若者たちは、様々な方法で自分のやる気を鼓舞して、勉強を頑張っているようだ。大人世代も見習えるところがあるかもしれない。
著者紹介:高橋暁子
ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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