エンジンオイルやバッテリー、タイヤと、クルマは日常的にチェックしなければいけない項目がいっぱい。故障があれば事故につながります。ですが、毎回毎回バッテリーの電圧を計測したり、タイヤの摩耗具合を観察したり……というのは意外と大変です。そこで便利なのが、スマホアプリ「LINKDrive by GMO」です。早速このサービスを使ってみました。
カンタン&放置で愛車管理
「LINKDrive by GMO」は、車両情報をスマホで監視・管理するアプリ。まずAmazon.co.jpなどで販売するLINKDriveコネクタ(6000円、税別)を車両に取り付け、アプリをインストールしたスマホとBluetooth接続するだけで、スマホに車両のコンディションや、不調を未然に防ぐべくアラートが表示されるというもの。
それでは早速使ってみましょう。やり方はとても簡単。アプリをスマホにインストールし、Bluetooth接続をオン。あとはアプリの指示に従って各種登録をするだけです。
途中、LINKDriveをODBⅡポートに差し込みます。車種によって場所は異なりますが、大抵ハンドル付近や助手席側の足下などにあると思います。OBDⅡポートは本来、車両点検時に車載ECU(コンピューター)と検査機とを1対1で接続する規格であるため、レーダー探知機や外付けメーターなどと既に接続している場合は利用できません。
これで設定は完了。トップ画面はデフォルトの青のほか、赤系にも変更できます。また車両の色などもカスタマイズできます。
車両運転中にアプリを起動しても、リアルタイムで燃費が変動する、走行距離が増えていく、ということはありません。ただ、停車中に車両診断は可能です。
このアプリのメリットは、クルマから離れていても、直近のエンジンの稼働状態やオイルの汚れ、バッテリーの劣化、タイヤの消耗などが確認できること。時々見ては「そろそろかな?」がわかるというだけでも便利です。
面白いのは、急ブレーキや急加速などの運転特性の確認できること。運転者の自覚がなくても、急発進などは、クルマに負担をかけ、寿命を縮めてしまいます。ですので、運転を見直すうえでも有益な機能といえるでしょう。また燃費にも影響を与えますので、環境に優しい運転にもつながります。
そのほか、遠隔診断機能も実装。あらかじめ整備工場を登録しておけば、車両を持ちこまなくても専属メカニックによる診断を受けることができます。
実際に利用してみると、これが意外と便利。最初は毎日アプリを見ているものの、もちろん変化はなく、次第に放置状態。ですがある日、エンジンオイル交換を求める通知が。気付けば結構乗っていたんだぁと思い交換しました。
ちなみに以前、エンジンオイルメーカーにインタビューした際「エンジンオイルは水と光で劣化します。冬場はエンジン内部に結露が起こりますので劣化しやすい状況になります。春先になったら距離に関係なくエンジンオイルを交換することをオススメします」だそうです。
どちらかというとメインは法人向けサービス
このように、普段の車両管理に便利なLINKDrive。ここから一歩進んで、車両情報をクラウドに上げてのサービスも行なっています。ひとつは自動車販売店や整備工場向けのクラウドシステム「LINKDrive PRO」。これは車両のコンディションを遠隔地からリアルタイムでチェックするというもの。販社としては、顧客の車両情報が確認できるだけでなく、顧客に対しオイル交換や定期点検などを効率的に通知できるというもの。さらに走行距離に応じてポイントを付与する「クルマイレージ」機能を使えば、クーポンを発行することも可能。システム的には販社向けですが、多数のクルマを管理する事業者にも適したサービスといえそうです。
そしてもうひとつが、自動車のリース事業や自社内で車両管理をしている法人向けサービスで、今年1月から販売を開始した、LTE通信機能搭載型ODBⅡコネクターを用いた国内初の交通事故を自動検知し通報するシステム「LINKDrive Air by GMO」です。車両や走行データをリアルタイムでクラウドにアップロード。自動車の不具合や故障を検知しサポートを受けられるのは従来のLINK Driveと同様ですが、事故時には衝撃データやアクセル開度やブレーキ操作といった走行データを解析し、自動的に事故受付センターへ通報。そこから速やかに警察や消防に連絡ができます。
車両からの各種情報や道路状況などをネットワーク経由で集積し、分析するコネクテッドカーが注目を集める中、過去発売された車でも対応するLINKDriveシリーズ。愛車の維持にスマホを活用してみてはいかがでしょう。