ゲームプレイには申し分ない性能
性能面をチェックすると、チップセットにはクアルコムの最新ハイエンドチップセット「Snapdragon 865」を搭載しており、メモリーは12GB、内蔵ストレージは256GBと、かなり高い性能を備えていることが見えてくる。試しに「Geekbench」や「3DMark」などのベンチマークを試してみたが、いずれも現時点ではトップクラスのスコアを記録していた。
そうしたことから3Dをフル活用したゲームをプレイしてもまったくストレスを感じることはないし、60fps以上のフレームレートに対応したゲームを最高画質にしても、コマ落ちすることなくスムーズに動作する。しかもAQUOS R5Gのディスプレーは、120Hz駆動のハイスピードIGZOに対応していることから、反応速度がものをいう対戦ゲームは特に快適だ。
負荷が高いゲームプレイにおいては発熱によるパフォーマンスの低下も気になるところだが、AQUOS R5Gは独自のサーモマネジメントシステムによる放熱処理にも力が入れられている。実際に負荷の高いゲームプレイや数分間の8K動画撮影、そしてベンチマークを何度か実施したりしても、本体が少し暖かくなるものの「熱い」と感じることはなく、パフォーマンスの低下も気にならない。
バッテリー容量は3730mAhと、4000mAh超えのバッテリーを搭載するハイエンドモデルが増えている中では大きいという印象はないが、十分な容量だということも確か。それに加えてIGZOディスプレーは元々省電力に優れていることから、長時間使っていても充電の心配をする必要もなかった。
ただ残念なのは、AQUOS R3で対応していたQiによるワイヤレス充電が非対応になってしまったこと。5Gのアンテナを追加した影響と考えられるが、こちらもハイエンドモデルでは既に一般的なものとなってきているだけに、惜しい。
5Gの超高速通信で“ギガ越え”なるか?
ここまで紹介してきたのは、あくまでハイエンドスマートフォンとしてのAQUOS R5Gの側面である。だがAQUOS R5Gの大きな価値となっているのは、やはり5Gに対応していることだろう。
しかもAQUOS R5Gは、2020年4月時点ではドコモ、au、ソフトバンクの3社すべてから販売されている唯一の5Gスマートフォンであり、「5Gを今すぐ使ってみたい」という人が手にできる可能性は非常に高い。それだけに、5G通信の実力が気になる人もいるだろう。
そこで実際に、5Gで通信した時の実力を確認してみた。今回はドコモ版(5Gにおける理論値での最大通信速度は下り3.4Gbps、上り182Mbps)を使用していることから、同社の5Gエリアとなっている東京スカイツリーのソラマチひろば周辺で、「Speedtest.net」を使い通信速度を測定した。
何度か測定してみた結果、さすがに“ギガ超え”とはいかなかったものの、5Gに接続している限りは下りで500~700Mbps台、上りで50~80Mbps台の通信速度を実現していた。
もっとも、現在の5Gのエリアは各社ともに非常に狭く、ドコモの場合、2020年3月末時点では東京都内でも、5Gが利用できる場所は東京スカイツリーの一部や、一部のドコモショップなど相当限定されている状況だ。こうした状況は1年近く続くと考えられ、当面5Gを有効活用できるケースはほとんどないということは、覚えておくべきだろう。
とはいえAQUOS R5Gは、ドコモ版の場合4Gでも理論値で下り最大1.7Gbps、上り最大131.3Mbpsの通信速度を実現しており、同様にSpeedtest.netで速度を測定しても、場所にもよるがおおむね下り最大100Mbpsを超える通信速度は実現できていた。各社の大容量プランと合わせて利用すれば、かなり快適にできるのではないだろうか。
【まとめ】IGZOの性能は申し分ないがデザインに課題
まとめると、AQUOS R5Gはディスプレー、カメラ、スペックと、あらゆる面において非常に高い機能・性能を誇るスマートフォンに仕上がっている。Pro IGZOを採用したディスプレーは有機ELに負けない性能を発揮しているし、まだ利用シーンが限られるとはいえ、8Kによる動画撮影をいち早く取り入れてきたのはシャープならではといえる。5Gのエリアが狭く通信性能をフルに発揮できないのが惜しいところだが、エリアが広がるにつれ、その高い性能をフルに発揮できるようになるだろう。
それだけに残念だと感じてしまうのはやはり本体のデザインであり、側面がカーブしておらずハイエンドモデルとしてはベゼルがやや目立つ側面や、ディスプレー内蔵型ではない指紋センサーなどは、今となっては古さを感じさせてしまう。こうした点はやはり液晶を採用しているが故の弱みでもあり、シャープにとっては悩ましい部分ともいえるかもしれない。
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