JR京浜東北線「川口駅」西口から徒歩10分。住宅街の中にぽつんと佇んでいるので、よく見ていないと通り過ぎてしまう。
店内は狭小でカウンター5席のみ。注文が入るとまずは麺を平たく伸ばし、小型の製麺機で麺切り、1玉ずつ麺を揉む。そして雪平鍋にスープを沸かし準備万端。
なんと「わんたんめん」の皮も手打ちだ。スープの表面をおおう鶏油が上質で優れている。清湯のほのかな酸味は、本物の証。加水率が高めの麺はすすると滑らかで丁度いい歯触りと喉越し。わんたんの皮は歯ごたえしっかり、ひき肉は肉の塊を叩いて作っているようだ。
「メチャ旨いね~」。
次に「らーめん」+「得肉三昧」は、どれも低温調理された肩ロースの焼豚、茨城産ハーブ豚のバラ肉の焼豚、鶏むね肉の煮鶏が各3枚ずつ。
どの肉もほどよい柔らかさでまた軽やかな口当たり。この清らかなスープに、各種焼豚の雑味が塩梅よく加わることによってまた味わいが変化する。化学調味料を一切使わずにこの旨味のスープを抽出しているとはとにかく驚く。
ご主人の郷里の福島である地鶏「川俣シャモ」のみでスープをこしらえている。
また彼は和食出身で、そこで培った細かい技術がラーメン作りにも生かされている。
〈店舗データ〉
【住所】埼玉県川口市飯塚2-14-23 電話は非公開
【営業】11時~14時30分 18時~21時 月曜日は「つけめん」の専門店として営業
【休日】金曜日
【アクセス】JR京浜東北線「川口駅」西口から徒歩10分
小野員裕 Kazuhiro Ono (大衆料理研究家)
17歳からカレーの食べ歩きをスタート。以降、大衆料理研究家として早い時期からジャンルを問わず各メディアで情報発信。著書「魂のラーメン(プレジデント社)」はラーメンファンのみならず食に関わる多くの評論家やブロガーにも多大な影響を与えた。現在も1日1軒は食べ歩きの日々。
百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/)
本人ブログ https://onochan.jp/
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