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LINNの50万円以上するスピーカーは「いい音といつまでも暮らせる」幸せの卵だった!

2020年03月14日 10時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara

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音楽が国境と時空を超えて部屋に蘇る

 音色は高品位で耳あたりのよい、ほのかな温かみも感じる上品さ。コンパクトスピーカーだから低音はたかがしれていると思ったら大間違いで、深々と伸びた低域は、まるで地面に根をしっかり下ろした大木のごとく、楽曲をブレることなく下支えします。さらに圧倒的なチャンネルセパレーションの良さが、スピーカーの存在を消し去って、部屋を音楽で満たしていくではありませんか。

 ベテランのオーディオ愛好家でなければ到達するのも難しいクオリティーの高さを、わずか10分程度で平然とやってのけるSeries 3に、たただた驚愕。長年オーディオを趣味としてきた者からすれば「今まで自分は何をやっていたんだろうと……」という自戒に似た恐怖すら覚えることでしょう。

視聴中の我が家

 定額の高音質ストリーミングサービスを契約すれば、タブレット端末の画面に、膨大な数の楽曲タイトルが並びます。その様子に圧倒されるのですが、部屋に広がる素晴らしい音世界により「これはどう鳴るんだろう」「え? この曲って、こんなに音がよかったの?」という知的好奇心で指を止めることができません。それは新たな曲との出会いも創造してくれるのです。

 これが本当に楽しく、家から一歩も出ずに音楽だけを聴いていたいという思いにかられ、気づけば半日以上の時間、寝食を忘れて音楽に身を委ねていました。「人をダメにするソファ」というものが以前流行しましたが、Series 3はいい意味で「人をダメにするスピーカーシステム」といえるでしょう。

 さまざまな音楽を聴いては感動を繰り返す試聴体験でしたが、中でもエンヤが2015年にリリースした「ダーク・スカイ・アイランド」(96kHz/24ビット)は圧巻のプレイバック。この曲は「世界一美しい星空を眺めることができる島」といわれる英領チャンネル諸島のサーク島からインスピレーションを受けた楽曲とのことですが、シンセサイザーの音色がスピーカーの外にまで広がり空間を浮遊する中、エンヤの歌声がスピーカーの間に小さくポッと浮かび、心が洗われるかのごとく優しく語りかけてくるではありませんか。

 部屋にボーカリストを招いたような、というありていな表現だけでは済まされない、国境や時空、空間を超越するスペクタクルな体験。自室が「世界一美しい音楽が聞くことができる部屋」という錯覚と共に、オーディオ技術がついにここまで来てしまったのかと感慨にふけるものでした。

 発明王トーマス・エジソンが円柱型のレコードプレーヤー「フォノグラフ」を発明して約140年。フォノグラフはLPレコード、CD、そしてデジタルファイルへと姿を変え、誰もが定額でクオリティーの高い音楽を手に入れることができる時代になりました。

 Series 3は、そのような現代にジャストフィットしているのはもちろんのこと、誰もが手軽にその恩恵を享受できるプロダクトです。ぜひ一度、オーディオの進化を体験して頂きたいと思うと共に、試聴後必ずや「いい音といつまでも暮らせる」という幸せが詰まった卵であると確信することでしょう。

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