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スマホシェア1位達成に必要なことをファーウェイのリチャード・ユーCEOに聞く

2020年02月27日 10時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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中国や韓国は2~3年で5G利用者が4Gを上回る
日本はもう少しかかるだろう

 折りたたみスマートフォンやノートPC、そして独自モバイルサービスのアップデートを24日にバルセロナで発表したファーウェイ。その新製品発表会の後、同社コンシューマービジネスグループCEOのリチャード・ユー氏がインタビューに答えてくれた。

ファーウェイのコンシューマービジネスグループCEO、リチャード・ユー氏

──2020年は各国で5Gサービスが始まろうとしています。御社は今回の発表会でも「HUAWEI Mate Xs」「HUAWEI MateBook Pro 5G」「5G CPE Pro 2」と3つの5G製品を公開しました。今年、そして今後5Gの各国の普及度合いや、ファーウェイのスマートフォンの5Gへの移行はどのように考えておられるのでしょうか?

リチャード・ユーCEO(以下ユー氏) 2019年から各国で5Gサービスが始まっており、2020年はいよいよ5Gがテイクオフする時代と言えます。その中でも普及の勢いが強いのは中国と韓国市場です。一方、ヨーロッパはややゆっくりとした状況と見ています。また、今年5Gが始まる日本はその中間くらいの勢いになるのではないでしょうか? このように5Gの普及度合いは国により大きな違いが出ると思われます。

 それもあって、弊社のスマートフォンの5Gと4G製品の割合が今後どれくらいで逆転するかを推測するのは難しいところです。5Gはスマートフォン・コンシューマーのものだけではなく、IoTやインダストリー用途にも広く使われていきます。5Gの普及の度合いは各国の産業事情にも左右されると思います。

 各国の5G利用者の動向を見ると、おそらく中国や韓国では今から2~3年程度で5G利用者が4Gの数を上回るでしょう。一方でヨーロッパは5年くらいかかると思われます。日本は先ほどお話ししたように、その間くらいの時期になるでしょうね。

自らも5Gスマートフォン「HUAWEI Mate X」を使うユーCEO。中国の5G普及速度は速い

新型コロナウイルスとアメリカの制裁の影響

──現在、新型コロナウイルスの影響で中国の工場の操業が止まったり、海外でも大型イベントの中止が相次ぎ、MWCも開催が見送られました。スマートフォン業界にも大きな影響が出ています。ファーウェイの端末事業は影響を受けていないのでしょうか?

ユー氏 業界ではサプライチェーンの停滞を受けており、影響を受けています。弊社ではその影響を最小限にするよう努力しています。

──アメリカの貿易問題を受け、ファーウェイがスマートフォンのシェアを伸ばす環境は逆風が吹いているようにも見えます。今後シェアを伸ばし、業界1位の座を取るためにはどのような戦略を取っていくのでしょうか?

ユー氏 たしかにアメリカ政府の制裁措置を受けていますが、弊社のスマートフォン販売台数はその影響を受けず昨年も伸びています。弊社はいずれスマートフォン業界でシェア1位を取りたいと考えていますが、そのためにはお客様に弊社製品の価値を伝えていくことが重要です。

 弊社は高いイノベーション能力を持っていると自負しています。たとえばPシリーズのカメラはその表れの一つです。今後シェアを伸ばし1位を取るためには、それを製品に生かしユーザーに高いエクスペリエンスや満足度を得られる製品を届けていくことが重要です。スマートフォンやタブレットだけではなくカメラ、チップセット、AI技術、ソフトウェアなど複数の製品やサービスをまとめたエコシステムを提供し、低姿勢でお客様に接すると共に、社内が官僚主義的な組織ならないように常に気を配っています。

複数の製品をエコシステムとして展開。今回の発表会でも多数の製品が発表された

ノキアやサムスンから学ぶこと

──シェア1位の話が出ましたが、これまでに携帯電話・スマートフォン市場でシェア1位だったノキアやサムスンから学ぶことはあるでしょうか?

ユー氏 常にイノベーション力を維持し続けることが大切だと考えています。イノベーションは決して止めてはいけないものなのです。弊社は技術開発への投資をこれからも進め、消費者ニーズに応じた製品を常に出し続けていきたいと考えています。

──ソフトウェアのお話を聞かせてください。御社のスマートフォンはアメリカ問題を受けて、現在はグーグルサービス(GMS)を搭載することができません。今後は別のOSの採用や、ファーウェイサービス(HMS)を中心とした戦略を取るのでしょうか?

ユー氏 まず新しいOSについては、昨年8月に「HarmonyOS」を発表しています。このOSはスマートフォンへの搭載も可能ですが、それは見送りました。なおHarmonyOSは、現在IoT製品に展開しています。弊社はスマートフォンに搭載するOSそのものを変えるのではなく、Android OSのエコシステムを引き続き採用する道を選びました。

 グーグルとは過去10年以上、スマートフォンの開発で密接な関係を持っています。また他のアメリカ企業とも協業を進めてきました。しかし現在はアメリカ政府の制裁により、GMSの搭載ができない状況です。弊社としては、引き続きアメリカの制裁解除を待っている状況です。そのためHMSを強化しアプリケーションの数を増やすための動きも続けていきます。つまりアプリケーションデベロッパーの方々には、GMSだけではなくHMSのサポートも協力していただき、HMSのパートナーを増やしていきたいと考えています。

 今後の展開ですが、今年の第3四半期末(10月末)を一つのピリオドとして、その時の制裁状況や市場の状況から、HarmonyOSのスマートフォン展開も改めて検討することになるかもしれません。

──そのHMSで提供されるアプリケーションストア「AppGallery」を拡充していくために、どのような戦略を取られるのでしょうか?

ユー氏 HMSのコア部分を強化して、連動するアプリケーションを増やせるようにしています。それによりデベロッパーに興味を持ってもらい、ユーザーを増やしていこうと考えています。なお2019年5月以前に販売された、制裁を受けていない製品は引き続きGMSのサポートを続けていきます。

──最後に、3月の新製品について教えてください。

ユー氏 今回の発表会ではビデオ登壇でしたが、3月26日のパリではステージに上がり新製品をみなさんに紹介したいと思いますのでご期待ください。

──ありがとうございました。

「来月を楽しみにしてほしい」と新製品に自信をのぞかせた

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