本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「Dockerfileに出てくる謎のexe、ServiceMonitor 」を再編集したものです。
Dockerfileの基本的な書き方
皆様、Windows コンテナで遊んでいますか?
Dockerfile に書く内容は、誤解を恐れず表現すると、だいたい下記のような流れですよね。
1.ベースイメージ
2.ミドルウェアのインストール、セットアップの処理
3.アプリケーションのコピー
4.アプリケーションの起動を監視するために ENTRYPOINT を記載
これだけ認識していれば、例えば単発実行や無限ループで処理待機するコンソールアプリケーションのコンテナ化なんてのは、(細かいことを無視すれば)すぐにできてしまうと思います。
謎のexe 、ServiceMonitor
しかし、例えば下記の Dockerfile を見てください。
これは IIS で動く Web アプリを動かすときに使える Dockerfile になるんですが、 ENTRYPOINT に ServiceMonitor.exe なるものが指定されています。
「なにこれ」と思いませんでしたか?
私は思いました。
そもそもENTRYPOINT って何だっけ
ENTRYPOINT は「コンテナが実行するファイルを設定します。」とのことです。http://docs.docker.jp/v1.11/engine/reference/builder.html#entrypoint
そして、その「実行するファイル」が終了すると共に、コンテナが終了します。
これを IIS で動かすアプリに当てはめるとどうなるでしょうか?
IIS で動かすアプリは exe ファイルでは無いので、それ単体で実行することはできませんよね。IIS の上に載せてあげることで初めて動作します。
ということは、IIS が ENTRYPOINT に記載すべきものとなります。
しかし、 IIS 自体はサービスなので、「コンテナが実行するファイル」とは違う概念になります。
「サービスの起動状態を監視するアプリ」が欲しい
例えば、「コンテナが実行するファイル」が IIS というサービスの起動状態を監視してくれて、そのサービスの状態に従って終了してくれたら良さそうに思いませんか?
そんな役割を担ってくれるのが ServiceMonitor.exe です。
よって、IIS のようなサービスの状態がコンテナの起動状態を左右する場合は、 ServiceMonitor.exe を ENTRYPOINT に指定してあげればコンテナが実現できそうですね。
まとめ
ServiceMonitor.exe のおかげて IIS アプリのコンテナが実現できることが分かりましたでしょうか?
広く公開されている Dockerfile は参考になるので、「これ何やってるんだろう?」を深掘りしてみると面白いですし、勉強になります。
例えばご紹介した Dockerfile はこの ServiceMonitor.exe のインストールのためにいろいろ実施しているので、その辺りも調べてみてはいかがでしょうか?
松枝 宏樹/FIXER
名古屋事業所所属。得意分野はC#、ASP.NET、terraformなど。最近はdocker、K8s関連を勉強中。