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通信事業者/サービスプロバイダーの“デジタルジャーニー”支援、ローカル5G展開も容易に

5G NW/エッジ対応強化、レッドハットCTOが最新版「OpenShift」を語る

2020年02月10日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp 写真● 曽根田元

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通信事業者から“コミュニケーションサービスプロバイダー”への変革を支援

 日本のテレコム系顧客とのラウンドテーブル出席のために来日したライト氏、スミス氏は、5G時代を迎えたテレコム/デジタルサービスプロバイダーがネットワークインフラに抱える課題と、その解決のためにレッドハットが提供できるソリューションについて説明した。

米レッドハット Global VP, Vertical Industries & Accountsのダレル・ジョーダン=スミス(Darrell Jordan-Smith)氏

 レッドハットが現在掲げるビジョンは、「オープンハイブリッドクラウド」の実現だ。「あらゆるワークロードを、あらゆるインフラ、あらゆる場所で実行可能にする(Any Workload, Any Footprint, Any Location)」プラットフォームとして、OpenShiftを機能強化していく戦略をとっている。

 スミス氏は、テレコム業界における“デジタルジャーニー”は5、6年ほど前から始まったと説明する。まずは、通信サービスを提供するインフラそのものの大きな変革だ。旧来のネットワーク機器(ハードウェアアプライアンス)がソフトウェアで置き換えられ(SDN化)、それに伴って仮想化(NFV化)やプラットフォーム化も進んできた。

 「そして、この次に来るのが“コンテナ化”だ。特に5G時代には、規模の経済のメリットを享受するためにコンテナ化が必須となる。それに合わせて、5Gの巨大なネットワークを効率的にオペレートするための“自動化”の実現も欠かせない」(スミス氏)

OpenShift 4でこれまで追加されてきたテレコム/CNF関連機能

 またOpenShiftによって、顧客テレコム企業の通信インフラ面でのモダナイズだけでなく「オペレーション面でのモダナイズも支援できる」とスミス氏は強調する。通信サービスのオペレーションやビジネスをサポートするアプリケーションを、アジャイルな、クラウドネイティブな仕組みに作り替えていく基盤となるからだ。

 さらにこのデジタルジャーニーが向かう先には、従来のテレコム/通信事業者から「コミュニケーションサービスプロバイダー」へのビジネス転換が待ち受けている。通信サービスだけでなく、ネットワークに統合された各種サービスも組み合わせて顧客に提供するビジネスモデルだ。5Gネットワークに膨大なデータが集まるようになれば、それをエッジで処理し「データを価値に変える」多様なサービスも登場するだろう。

 スミス氏は、製造業(Industry 4.0)、スマートシティ、ストリーミングメディア、モバイルゲーミング、ヘルスケア(遠隔医療)などの例を挙げ、こうした業界ごとのソリューション提供においては、買収元であるIBMをはじめとする、各国市場/各業界の知見を持つSIパートナーとの緊密な連携も大切だと語った。OpenShiftのパートナーエコシステムも拡大を続けているという。

米Verizon、インドAirtel、米AT&Tにおける事例

5G時代のテレコム/サービスプロバイダーにレッドハットが支援できること

 CTOのライト氏は、スミス氏の語った5G事業者の課題をテクノロジーの側面から詳しく説明し、その課題解決に向けてレッドハットが支援できることを紹介した。

 「5GネットワークはNFVに依存しており、しかもサービス中心型のアーキテクチャになっている。ちょうどWebスケールの巨大なアプリケーションが、多数のマイクロサービスで構成されているのと同じようなかたちだ。これにより、かなりフレキシブルなネットワーク構築が可能となっている」(ライト氏)

米レッドハット CTOのクリス・ライト(Chris Wright)氏

 5GのRAN(無線アクセスネットワーク)を構成する重要コンポーネントは、RU(無線子局)、DU(分散ユニット)、CU(集約ユニット)だとライト氏は語る。分散型のアーキテクチャになっており、大規模なキャリア5Gネットワークでもローカル5Gネットワークでも、これらのコンポーネントの組み合わせで柔軟に構成できる。

 ただし5G、SDN、NFV、そしてエッジコンピューティングなどは、テレコム業界のオペレーター(エンジニア)にとっては新領域のテクノロジーでもあり、その導入とオペレーションの習得にはスキルギャップが生じる。さらに、調達や変更管理、運用などオペレーションのプロセスも、これまでとは大きく変わらざるを得ない。

 「オープンソースのテクノロジーを活用した共通プラットフォームを提供することで、(テレコムにおける)こうした負担を減らせるのがOpenShiftだ。OpenShiftは“ネットワーククラウド”と言ってもよいだろう」(ライト氏)

 ライト氏は、5Gネットワークのコア層からニアエッジ/ファーエッジ層、さらに分散アクセスネットワーク層(ディストリビューテッドRAN)まで、単一のOpenShiftプラットフォームでカバーできることを強調した。「実際に、この図のような5Gネットワークを大手顧客と構築中だ」(ライト氏)。

OpenShift 4により、5Gネットワークのコア/エッジ/アクセス層の全体をカバーする

 もうひとつ、エッジアプリケーション開発の側面でも優位性がある。クラウド層(図の左端)から上述した5Gネットワーク内の各層、分散アクセスネットワーク層まで、同じOpenShift環境が利用できるからだ。

 「開発者は5Gネットワークに詳しいわけではない。共通プラットフォームとしてOpenShiftを採用することで、5Gアプリケーションにおいても、巨大なデベロッパーエコシステムをそのまま活用できる」「さまざまな業界における5Gのユースケースを加速させていくうえでも、OpenShiftによる共通プラットフォームが重要な役割を担うものと考えている」(ライト氏)

 もうひとつ、ライト氏はNVIDIAとの協業についても触れた。NVIDIA GPUの活用によるAI/機械学習やデータサイエンス、AR/VRアプリケーションの高速化について、その適用領域をデータセンターだけでなく5Gネットワークにも拡大していというものだ。具体的には、NVIDIAのGPUを活用した高速な5G RANを実現する「NVIDIA Aerial SDK」を提供開始しており、「RANを効率化すると同時に、エッジアプリケーションにおける機械学習処理も高速化する」と、ライト氏は説明した。

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