2020年に入り、新衛星4K/8K放送のスタートから1年以上が経過した。4Kテレビも普及が進んだし、8Kテレビもシャープだけでなく、LGエレクトロニクスからも登場。日本国内だけでなく、世界的な注目度が高まっている。今年は東京オリンピック開催ということもあって、薄型テレビの製品には各社がいつも以上に力を入れている。
海外ではすでに8Kテレビを発表していたソニーが、いよいよ国内向けの製品も発表した。「KJ-85Z9H」(予想実売:税抜200万円前後)は、ソニーとしては初の8Kチューナー内蔵テレビとして3月7日に発売される。
Z9Hで一番のポイントは8Kチューナー内蔵だろう。海外で8K放送が行われる予定は今のところはないため、8K放送チューナーは不要だが、日本では必要。そのためのチューナー開発後に国内モデルの投入となったわけだ。もちろん、8K放送の録画も可能だ。その際には、放送の受信・視聴だけでなく、外付けしたHDD(USB 3.0対応モデルが必要となるが、既発売の従来製品が使用できる模様)が必要となる。ちなみに、将来登場する8K対応機器との接続を想定し、HDMIの8K入力にも対応している。
KJ-85Z9Gはデザインこそ、海外向けモデルの「Z9G」を踏襲しているが、8Kチューナー内蔵ということもあって、内部の基板や回路は一新されているという。業務用のマスターモニターを思わせるデザインで、ややいかつい印象はあるが、高性能さが伝わる顔付きになっている。イメージはまるで違うのだが、かつてのブラウン管時代に人気だった“プロフィール・プロ”を思い出した。