スリムボディーPCケースにRyzen 9 3950Xを搭載
簡易水冷CPUクーラーを搭載するには、フロントやトップにスペースが必要になるため、太めのずんぐりデザインになりがちだが、空冷CPUクーラーベースの設計、デザインと言えるG-GEARミドルタワーケースでは、スリムにRyzen 9 3950X搭載を実現できている。
昔ながらのデザインとも言えるが、机の下や上に設置しても、あまり主張しないスリム&スッキリしたデザインは、多くの人が好むところだ。
32スレッドフル負荷作業でも3.9GHz台の安定動作で静か
空冷仕様Ryzen 9 3950X PCで気になるのは、当然32スレッドへのフル負荷時のCPU温度や動作クロックになる。
動画変換/編集ソフト「TMPGEnc Video Mastering Works 7」のバッチエンコード(約12分30秒の4K動画を4つ同時に変換)を使って、32スレッドに最大負荷をかけた状態を「HWiNFO64」でモニタリング。「CPU(Tctl/Tdie)[℃]」をCPU温度、「Average Effective Clock [MHz]」をCPU動作クロックとし、CPU温度は処理開始から1時間経過したところから、10分間分を抽出して平均を求めている。動作クロックも同様に、1時間経過から10分間を抽出してグラフ化している。
4つの4K動画のバッチエンコード処理は、すべてが完了するまでに2時間40分程度かかるが、CPU温度は最大でも75.3℃、平均では67.4℃と優秀な結果を残している。室温が14〜16℃なのを考慮しないといけないが、悪くない結果と言える。
CPUの動作クロックは、エンコード開始時は3900MHz後半〜4000MHzだったが、1時間経つと、3800MHz後半〜3900MHz前半での動作となった。
負荷時の静粛性も優秀で、PCノイズは36.8dBAと、多少駆動音が聞こえる程度だ。長時間のフル負荷作業を頻繁に行ない、かつ時間効率重視なら、高いブーストクロックを維持する簡易水冷CPUクーラーを採用するモデルが確実だが、プライベートの動画編集や変換なら十分ありだろう。
ゲーミングも余裕でオッケーな空冷Ryzen 9 3950X PC
32スレッドを2時間以上、フルで動作させたエンコード処理でも問題なかったTSUKUMOの空冷仕様Ryzen 9 3950X PCだが、GeForce RTX 2080 SUPERからの発熱がプラスされるゲーミング中のCPU温度もチェックしてみた。
ゲームは最近プレイしており、CPU負荷が高めな「モンスターハンターワールド:アイスボーン」を最高画質品質、解像度2560×1440ドットで、2時間程度プレイした。
ゲームでは32スレッドは不要で、CPUごとの最大CPU負荷は60〜90%台になるが、32スレッド全体のCPU負荷平均(10分間)は39%と低い。ただ、CPU動作クロックはおおむね4200MHzで動作し、最大4225MHzまで伸びていた。
ゲーミング中はGeForce RTX 2080 SUPER搭載ビデオカードのGPU温度こそ、80℃に達してしまうが、CPU温度は最高69.5℃で、1時間程度プレイした際の10分間の平均温度も56.9℃と、まったく不安のない温度になっている。
見た目はシンプルでも中身はすごい
空冷仕様Ryzen 9 3950X搭載「GA9A」に注目
2時間以上、CPUにフル負荷をかけるヘビーな作業も問題なくこなせたTSUKUMOの空冷仕様Ryzen 9 3950X搭載PC。TSUKUMOの検証にあるように、ブーストクロックの伸びは少し落ちるようだが、スリム&シンプルなデザインのボディーや、水漏れなどといった簡易水冷クーラーのデメリットなく使えるのは、十分魅力的。
Ryzen 9 3950Xを搭載したPCを考えている人は、TSUKUMOのゲーミングデスクトップPC「GA9A」シリーズをベースに、カスタマイズした空冷仕様Ryzen 9 3950Xを検討してみるのもおすすめだ。
また、今回の試用機のように、高信頼なセンチュリーマイクロ製メモリーや、現状最速クラスのPCIe Gen 4.0対応NVMe M.2 SSDなど、細かくカスタマイズできる点も忘れてならない魅力のひとつと言える。
(提供:TSUKUMO)