HDMI Forumは1月6日、新しい「Ultra High Speed HDMI」に対応するケーブル認証プログラムを発表した。この認証プログラムによって2017年に発表された「HDMI 2.1」の仕様で定められていた8K映像伝送が実現する。
最初にHDMI 2.1の現状を整理しておくと、2017年に発表された「HDMI 2.1」は多くの薄型テレビ等が採用し、一見普及が始まっているように見える。だが、HDMI 2.1と表記するためにはHDMI 2.1の全機能に対応する必要はなく8K映像の伝送に必要となる帯域幅48Gbpsの伝送に対応した製品は存在しなかった。
本来のポテンシャルである帯域幅48Gbpsの伝送にはHDMIのケーブルに”カテゴリー3”と呼ばれる厳しい伝送品質が求めらる。しかし、その品質を認証するための互換性認証テスト(CTS=Compaliance Test Specification)が制定が待たれていた。実は日本のシャープが販売しているAQUOS 8KなどはHDMIトランスミッタの仕様上、帯域幅48Gbpsの伝送に対応しているのだが、ケーブル認証が始まっていないため利用できていなかったのだ。
CESで行なわれた HDMI Forumによる発表では、「Ultra High Speed HDMI」の互換性認証テスト(CTS)を制定。48Gbpsの伝送に対応する”カテゴリー3”対応で、互換性認証テストはHDMI Forumによって認定されたテストセンター(ATC)によるテストが必須となる。また、複数の長さのバリエーションで販売されるケーブルも、すべての長さで個別に互換性認証テストを受ける必要がある。
また「Ultra High Speed HDMI」では、ワイヤレスネットワークやストリーミングメディアプレイヤー、Bluetoothデバイス、携帯電話からの干渉の最小化を目的とした最新のEMI要件に適合するための検査が含まれており、従来以上に外部ノイズに対応する干渉対策が厳しく求められる。
「Ultra High Speed HDMI」の基準を満たしたケーブルでは、48Gbpsの伝送レートに対応し、4Kp50/60/100/120と4K解像度の120Hz駆動まで、そして8Kp50/60と8K解像度の60Hz駆動までをカバー。「Ultra High Speed HDMIではHDMI 2.1の定めるFRL(Fixed Rate Link)、Dynamic HDR、eARC、ALLM(Auto Low Latency Mode)、VRR(Variable Refresh Rate)、QFT(Quick Frame Transport)、QMS(Quick Media Switchng)の全てをカバーすることになる。
ケーブル構造については、長尺のケーブルについてはアクティブケーブルや光ファイバー伝送等が考えられるが、基準を満たせばパッシブケーブルであっても対応可能。また、Type Aコネクタ以外にType C(HDMI-mini)、Type D(HDMI-micro)もカバーする。
「Ultra High Speed HDMI」の互換性認証テスト(CTS)は、現在140社を超えるケーブルメーカーが傘下している既存の「Premium Certification Program」(プレミアム認証プログラム)を拡張する仕組みとして提供され、まもなく提供がスタートされる予定。
「Ultra High Speed HDMI」ケーブルには、個別の製品パッケージにQRコードによる認証プログラムのラベルの貼り付けが必須で、偽造防止のためのユニークIDが付与される。
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