NECプラットフォームズは1月9日、次世代無線LAN規格「Wi-Fi 6(IEEE 802.11ax)」に対応するWi-Fiルーター「Aterm WX6000HP」「Aterm WX3000HP」を発表した。
Aterm WX6000HPが4万円前後で1月23日発売、Aterm WX3000HPが2万円前後で5月中旬発売を予定している。
Wi-Fi 6は、前世代のWi-Fi 5(IEEE 802.11ac)に比べて通信帯域や速度が向上しただけでなく、通信帯域を分割し最大36台の端末へ同時にデータ送信することで、Wi-Fiが込み合った状況でも安定した通信が可能な「OFDMA(直行周波数分割多元接続)」に対応するなど、より多端末と接続することを想定した機能を持つ。
今回発売する2製品は、電波状況をチェックしてWi-Fi端末を最適な周波数帯へ切り替えるバンドステアリングや、電波干渉の影響の少ないチャネルを自動切換えするオートチャネルセレクトに対応する。
両製品ともワイドレンジアンテナを採用。Wi-Fi 6対応ルーターの中には、アンテナの向きを調整することでビームフォーミングにより電波強度の高い通信を可能としているものがあるが、これは逆にアンテナ角度と端末の位置によっては通信強度の低下を招く場合もある。
ワイドレンジアンテナでは、アンテナ単体で360度をカバーするため、端末がどの位置にあっても均等な安定通信が可能としている。
また、新たに「IPv6(IPoE)」方式の通信に対応することによって、従来の「IPv4」方式とは異なる通信で混雑を回避することができ、快適なインターネット利用が可能とのこと。さらにNEC独自のIPv6高速化エンジンである「IPv6 High Speed」によって、通常のIPv6通信よりもスピードアップしているという。
そのほか、Wi-Fi子機のスマホの通信機能をスリープ状態にすることでバッテリー消費を抑えるTWTや、Atermに接続されたWi-Fi機器をスマホアプリで管理できる「見えて安心ネット」などの機能もサポート。セキュリティー面ではWi-Fi暗号化規格「WPA3」に対応している。
Aterm WX6000HPは、8×8(5GHz)+4×4(2.4GHz)の12ストリームクラスのホームルーター。国内メーカーの家庭用Wi-Fiルーターで業界最速クラスを謳う、Wi-Fi実行スループット4040Mbpsを実現しているという。
端末の通信の優先順位を設定できるQoSにも対応しており、eスポーツゲームやストリーミング動画の視聴時などに端末の通信優先度を高く設定しておけば、ほかの通信に影響されず安定した通信が可能になる。
CPUには2.2GHzのクアッドコアCPUを搭載し、5GHzと2.4GHz双方の同時利用でも、分散処理によって高速通信が可能とのこと。
Aterm WX3000HPは価格を抑えたエントリーモデルで、2×2(5GHz)+2×2(2.4GHz)の4ストリームの製品になっている。それぞれのスペックは以下のとおり。
品名 | WX6000HP | WX3000HP |
---|---|---|
ストリーム | 8×8(5GHz/HE160)+4×4(2.4GHz) ※8×8のみHE80 |
2×2(5GHz/HE160)+2×2(2.4GHz) |
5GHz速度 | 4804Mbps | 2402Mbps |
2.4GHz速度 | 1147Mbps | 574Mbps |
MU-MIMO(同時通信) | 最大8台 | 最大2台 ※DLのみ |
OFDMA(同時通信) | 最大36台 | 最大36台 |
WAN | 10Gbps×1 ※WAN/LAN切替可 | 1Gbps×1 |
LAN | 1Gbps×4 | 1Gbps×4 |
CPU | クアッドコアCPU(2.2GHz) | デュアルコア(800MHz) |
サイズ | 51.3(W)×215(D)×200(H)mm | T.B.D |