最もポイントが貯まり、リアルの店舗で利用できる
スマホを使った決済は、これからのキャッシュレス社会において、最も有効な手段のひとつだ。それだけに、通信サービスと金融サービス、そして、それを利用することができるリアル店舗が、業界をまたいでどう連携するかが注目されている。
先頃、検索事業やメディア事業などを手がけるヤフーの親会社であるZホールディングスと、メッセージングアプリ大手であるLINEの経営統合が発表された。ここでも、PayPayおよびLINE Payの統合が注目され、PayPayの約2000万人の会員と、LINE Payの約3700万人の会員を統合したことによる規模の強みがどう生かされるかが関心の的だ。
また、Zホールディングスの親会社であるソフトバンクのスマホ事業との連携にも関心が集まっている。
KDDIの高橋社長は「ZホールディングスとLINEの経営統合発表前から今回の話し合いを進めてきた」と、他社の動きとは異なる形で話が進んでいたことを強調するが、一方で「今回の融合は、PayPayおよびLINE Pay陣営の対抗軸になる存在。だが、我々は一歩先に進んでいく」と自信をみせる。
「目指すのは、スーパーアプリケーション」とKDDIの高橋社長。「最も使われるスマホのアプリとなり、最もポイントが貯まりやすく、それがリアルの店舗で利用できる。このメリットを訴求していく」とする。
1億超の会員基盤を持った新たな陣営は、これからどんなメリットを提供してくれるのか。通信が溶け込む令和時代の新たなサービスの登場が楽しみである。

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