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規格外、季節外れに挑戦する植物業界の革命家

ひとの心に植物を植える〜プラントハンター・西畠清順

2019年12月24日 10時00分更新

文● 前川亜紀 編集●ASCII

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そら植物園 代表取締役 西畠清順さん。20代前半で、家業を継ぎ、植物業界に入った

 プラントハンター・西畠清順さんは、世界各国を旅して植物を探し求めている。目的は、「ひとの心に植物を植える」ことだ。

 その存在が、知られるようになってから、日本の植物業界は大きく変わっていった。たとえば観葉植物。それまではポトスやパキラなど「見たことがある」植物が多かったが、西畠さん登場以降は地方のホームセンターにまでマニアックな植物コーナーができるまでに多様化した。

 今まで日本になかった植物を日本に根付かせ、度肝を抜く風景を見せ、文化を根底から変えていった「植物業界の革命家」の素顔と仕事に迫る。

「日本で育たない」とされる植物が、東京で元気な姿を見せる理由

 西畠清順さんのインタビューは、造園の設計/施工を監修した「代々木VILLAGE by kurkku」で行われた。ここは、彼が世界中を巡りながら集めた120種類以上の珍しい植物が共存している、世界でただひとつの庭だ。なかには「東京では育つわけない」といわれた熱帯植物のバナナや、マカデミアナッツなども多い。インタビューは真冬に行われたが、植物は元気な様子を見せている。

 「僕が見つけて、日本に運んできた多様な植物がひとつの森になっています。よく『どうして育つんですか?』と聞かれますが、僕は植物の生育風土や生態を熟知していますので、東京の気候に合わせて植え、管理しています。だから季節を問わず元気なのです」

 西畠さんは、20代前半で、家業を継ぎ、植物業界に入った。

 「最初は造園業者、フラワーデザイナー、グリーンショップなどに、商品としての植物を卸すところから始めました。日本の花卉園芸産業は、作り手(農家や植木業者)がいて、流通に乗った“規格内の商品”を供給するという流れができています。街路樹、花壇、オフィスの観葉植物……“この植物はこの使用目的”と決まっている。しかし、それを続けていても仕方ないので、『規格外とか、季節外れとか、誰もやらないことをやろう』と思ったのです」

南半球から船便で1ヵ月かけて日本に運んだボトルツリー。愛嬌あふれる力強い姿と、西畠さんはどこか似ている

 そのインスピレーションをくれたのは、西畠さんが24歳の時に、訪れたオーストラリアで出会ったボトルツリー。

 「ぱっと見で、『これを日本に持ってきたら、みんな驚くな』と思ったのです。今、僕が世界中を旅しているのは、植物が好きで仕方ないという思いが強いから。好きすぎると、あらゆることが知りたくなる。植物を知るなら、実際に生息している場所に行くのが一番近道です。その土地の風土、自然条件などが一目瞭然ですから。それを知っていると、届け先でも、その生態に即した対応ができるのです」

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