準備を重ねていよいよ出荷へ
富士通ITプロダクツの加藤社長は「富岳に関しては、できあがった図面通りにモノを作るのではなく、企画段階からこのプロジェクトに携わり、モノづくり側からの要望や提案を行なってきた」と語る。
さらに「約2年前から、当社が生産受注したときのことを考えて準備をしてきた。リスクを洗い出して、それを潰す作業を繰り返してきた。富岳の生産においては、約3万件ものリスク評価を行ない、ポカヨケの手法を考案したり、治具を拡充したりするなどによって、作業リスクの大幅な低減を果たした。
約10年前に京を生産した際の、経験やノウハウが蓄積されていることは強みであるが、それが油断につながることを最も心配した。時間をかけて、入念に準備をした」とも語る。
品質評価についても、製品単体テストを実施するだけでなく、OSやミドルウェアなどのソフトウェアを搭載した確認テストを実施。運用環境で想定される部品故障時のリカバリテストも実施している。
また、部品サプライヤーと連携して、品質を高めるための仕組みを源流にまで遡って構築。サプライヤーと共同で品質向上に向けた取り組みを展開してきた。
「富岳の製造を通じて、社会課題解決の一翼を担うという誇りを胸に、すべての製品をしっかりと収める」と、富士通ITプロダクツの加藤社長。今後、富士通ITプロダクツでは、月間60ラック以上の富岳を生産し、最終的には400ラックを生産。2020年6月までに全量を出荷する予定である。
日本が世界に誇るスーパーコンピューターが、どんな社会貢献をするのかが楽しみだ。
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