消費電力性能で世界1位を獲得
新庄理事は「たとえば、エネルギーは地球規模の問題である。エネルギー効率を重視することは、これからのスーパーコンピューターにとって重要な指標となる。さらに、特定の計算の速さではなく、実際に動かすアプリの性能を重視することが大切。
そして、多様な言語やアプリ、機能に対応し、ポータビリティーを確保し、アプリケーション開発者が使いやすい環境の実現を重視している」とする。
富岳が重視する省電力という点では、11月18日に富士通沼津工場に設置している富岳のプロトタイプが、スーパーコンピューターの消費電力性能を示す「Green500」において、世界1位を獲得した。
ピーク性能の2.3593PFLOPSに対し、連立一次方程式を解く計算速度(LINPACK)で1.9995PFLOPS、消費電力1ワットあたりの性能で16.876 GFLOPS/Wを達成し、世界トップの消費電力性能であることを実証してみせた。
ここでは、GPUなどのアクセラレーターを用いず、汎用CPUのみを搭載したシステムで初めて世界一を獲得した点が評価されている。これは、GPUによる特定アプリケーションでの高速性を実現するものではなく、さまざまなアプリケーションにおいても高い性能と省電力を両立することを証明しているからだ。
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