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業界人の《ことば》から 第370回

世界1位のスパコン富岳は競争のために作ったわけじゃない

2019年12月12日 09時00分更新

文● 大河原克行、編集● ASCII

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Society 5.0の実現に貢献したい

 新庄理事は、富岳がものづくり、ゲノム医療、創薬、災害予測、気象・環境、新エネルギー、エネルギーの創出・貯蔵、宇宙科学、新素材の9つの分野を重点領域として、コンピューターシミュレーションなどに活用されることを示しながら、「コンピューターシミュレーションは、見えないものを見えるようにし、実験できないものが実験できるようになる。

 シミュレーションは、理論、実験と並ぶ、第三の科学、研究開発の手段になっており、企業の製品開発の分野にも取り入れられている。企業にとってもシミュレーションが生命線のひとつになっている」とする。

 また「富岳は、AI向けの計算を高速化できる機能を新たに追加しており、将来的にはSociety 5.0の実現に貢献したい。科学的、社会的に役に立つことを目指す」とする。

 さらに、富士通の時田隆仁社長は「富岳は、防災や医療、創薬にくわえて、産業利用にも貢献できるだろう。価値ある成果を届けることが、富岳の使命であり、富士通の使命である」と語る。

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