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親なら知っておきたい人気スマホアプリの裏側と安全設定 第43回

女児誘拐事件からもあらためて知っておきたい、子どもによるTwitterのリスクと対策

2019年12月10日 09時00分更新

文● 高橋暁子 編集● ASCII

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オンラインゲームでの出会いリスクに注意

 大阪の小学6年の女児が栃木県の35歳の男に誘拐された事件が大きく報道された。容疑者の男と女児はオンラインゲームで知り合い、TwitterのDMでやり取りしたと言われている。オンラインゲームやTwitterの利用が出会い系被害につながる理由と対策について解説したい。

TwitterのDMで誘い出される事例は少なくない

 報道によると、女児は2年前からバトルロイヤル系のオンラインゲームにはまっていたようだ。今回も、容疑者の男は女児を「別の女の子のオンラインゲームや話し相手になってくれないか」と誘いだしたという。

 この手のオンラインゲームは、スマートフォンでボイスチャットしながらプレイできるところが10代の若者に人気が高く、YouTubeのゲーム実況でも人気だ。友達と集まってプレイしたり、離れた友人と話しながらプレイができるほか、TwitterなどのSNSで一緒に遊ぶ人を探してからプレイすることも多いのだ。

 しかし、ボイスチャットしながら一緒にプレイすると相手に親しみがわき、直接会うことの敷居が下がってしまう。特に低年齢の子どもがこのようなゲームをプレイしている場合は、知らない人とつながるリスクを伝え、なるべく面識のある知り合いとのみプレイするように指導したい。

TwitterのDMで誘い出されるリスクは高い

 警察庁の発表によると、Twitterは未成年が出会い系被害につながるケースが一番多いSNSだ。匿名で複数アカウントが作れる上、10代が多く利用しているサービスのためだ。出会い系サイト規制法施行以後、TwitterなどのSNSをきっかけとして出会い系被害につながることは増えている。

 また、2年前の座間での事件の加害者は、Twitterで「つらい」「寂しい」とツイートしている女性ユーザーに片っ端からDMを送ったと伝えられている。優しい人のふりをして心の隙間につけ込んだと考えられるのだ。そのほかにも「家出したい」「死にたい」とツイートするなど、悩んでいたり寂しかったりする若者が狙われる傾向にある。DMでは外からわからない状態でやり取りできてしまうので、リスクが高くなる。

 今の10代はネットでやり取りするだけで相手を友だちととらえてしまうため、直接会うことへの抵抗も少ない。また、そもそもTwitterは13歳未満は対象としていないサービスだ。低年齢の子どもには利用させず、14歳以上でも保護者がしっかり利用状況を見守りながら使わせるべきだろう。

 子どもをとりまく環境は危険に満ちている。「ネットでは年齢や性別、職業などを偽ることができる」という前提をしっかりと伝えると同時に、さまざまな事件につながっている実態を教えるべきだ。利用させる場合は、保護者が利用状況を見守りながら約束事を取り決めて利用させる必要がある。オンラインゲームやSNSが悪いわけではないが、利用の仕方によっては事件につながるリスクがあるので気をつけて使わせるようにしてほしい。


著者紹介:高橋暁子

 ITジャーナリスト。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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