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「HP Z1 Entry Tower G5」クリエイターズファイル 第1回

安くてコンパクトでも高性能な、個人クリエイターが選ぶべきPCがわかった!

「YouTuberとして動画で食べていこう」という人におすすめのクリエイター向けPC「HP Z1 Entry Tower G5」

2019年12月23日 11時00分更新

文● 山口優 編集●村野晃一(ASCII)

提供: 日本HP

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HP Z1 Entry Tower G5のメリット その2
最高クラスのCPUと外付けGPU「GeForce RTX」を搭載

 「HP Z1 Entry Tower G5」の上位モデルに搭載されているCore i9-9900Kは、メインストリーム向けでは最高クラスの性能を持つCPU。プロセッサーの性能を測るベンチマーク「CINEBENCH R20」ではマルチコアのスコアが4382pts、シングルコアのスコアが499ptsとなり、数年前のハイエンドワークステーションに搭載されることの多かった12コア24スレッドのXeon E5-2697 v2を軽く上回る結果になった。ちなみに、現行のモバイルノートに搭載されることの多いCore i7-8565Uがマルチコアで1300pts前後、シングルコアで400前後なので、それと比べるとどれだけパフォーマンスが高いかイメージできるかと思う。

CPUにはインテルCore i9-9900(3.6GHz/最大5.0GHz、8コア16スレッド)が搭載されている

「CINEBENCH R20」ではマルチコアのスコアが4382pts、シングルコアのスコアが499ptsと、非常に高い結果になった

 PCの総合的なパフォーマンスをテストする「PCMARK10」では、総合スコアが6502になった。スコアの詳細を見るとPCの基本性能を示す「Essentials」が9309、表計算やワープロなどのビジネス系アプリの処理性能を測る「Productivity」が7959、クリエイティブ系の性能を示す「Digital Content Creation」が10068となっている。いずれも快適さの目安となる3000を大きく超えているので、普段使いはもちろん、写真編集や映像編集などのクリエイティブな作業もサクサク行えることが期待できる。

「PCMARK10」では、総合スコアが6502になった

 グラフィックス性能は、ミドル~ハイエンドのゲーミングPCに採用されることの多いNVIDIA GeForce RTX 2070を搭載しているだけあってかなり高い。グラフィックス性能を測るベンチマーク「3DMark」では、次の通りの結果になった。

3DMarkスコア
Time Spy 8794
Time Spy Extreme 4095
Port Royal 4937
Fire Strike Ultra 5187
Fire Strike Extreme 9887
Fire Strike 19171
Sky Diver 46620
Cloud Gate 51590

 Direct X12対応のゲーミングPC向けテスト「Time Spy」で8794というスコアが出ているが、これはCPU内蔵GPUであるインテルUHDグラフィックス620の20倍近い数値。負荷の高いゲームも快適にプレイできるパフォーマンスだ。その4K解像度でのテスト「Time Spy Extreme」や、実写のような超リアルな表現を行うレイトレーシングをテストする「Port Royal」でも4000~5000程度のスコアが出ているので、精細さや美麗な映像にこだわったゲームもある程度は楽しめるレベルにあると考えられる。

GPUはNVIDIA GeForce RTX 2070を搭載している

「3DMark」ではDirect X12対応のテスト「Time Spy」で8794というスコア

「3DMark」の「Port Royal」では4837というスコアになった

 試しに、ゲーム系ベンチマーク「FINAL FANTASY XIV: 漆黒の反逆者(ヴィランズ)」と「FINAL FANTASY XV」を実行してみたところ、次のようになった。

「FINAL FANTASY XIV: 漆黒の反逆者(ヴィランズ)ベンチマーク」スコア
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080 標準品質 21697 非常に快適
1920×1080 高品質 17754 非常に快適
1920×1080 最高品質 17157 非常に快適
3840×2160 標準品質 15680 非常に快適
3840×2160 高品質 8170 非常に快適
3840×2160 最高品質 6979 とても快適

「FINAL FANTASY XIV: 漆黒の反逆者(ヴィランズ)」の結果

「FINAL FANTASY XVベンチマーク」スコア
解像度 品質 スコア 評価
1920×1080 軽量品質 14848 非常に快適
1920×1080 標準品質 11367 とても快適
1920×1080 高品質 8623 快適
3840×2160 軽量品質 5802 やや快適
3840×2160 標準品質 4233 普通
3840×2160 高品質 3671 普通

「FINAL FANTASY XVベンチ」の結果

 「FINAL FANTASY XV」のような重量級のゲームでも画質次第で十分快適にプレイできることがわかる。

 なお、動画編集にはCPUやグラフィックス性能だけでなくストレージの性能も重要。そこで、「CrystalDiskInfo」で確認したところ、メインに512GBのM.2 NVMe SSDが、サブでSATA接続の2TB HDD(7200回転)が搭載されていた。SSDの方は転送モードがPCIe 3.0×4(4レーン)となっているのでシーケンシャルリードは3000MB/s前後は出るはず。超高速なSSDと大容量HDDという、理想的な組み合わせだ。

 それぞれ「CrystalDiskMark」で性能をチェックしてみたところ、次の図の通りになった。SSDは予想通り3000MB/sを超える速度。HDDの方もシーケンシャルリードが230MB/s前後出ており、かなり高速だ。これなら、容量の大きな動画データも軽快に扱えるはずだ。

「CrystalDiskInfo」でメインとサブのストレージをチェックしたところ

500

「CrystalDiskMark」でSSDとHDDの性能をチェックした結果。SSDのシーケンシャルリードが3000MB/sを超えており、非常に高速であることがわかる

500

 ここまでは定番のベンチマークソフトで性能を測ってきたが、実際の動画編集の際もパフォーマンスは十分なのだろうか。そこで、実際に動画編集ソフトを使って性能をチェックしてみることにした。

 まず、Adobe Premiere Pro CCを試したところ、フルHDはもちろん、4K60fpsの素材も快適に編集することができた。「アンシャープマスク」や「ノイズ」など、複数のエフェクトをかけてもプレビューがコマ落ちすることなくサクサク作業することが可能だった。

 またAdobe Media Encorderを利用して、GPUアクセラレーション(GPUでレンダリングやエンコードを高速化する機能)を有効にした場合と無効にした場合とで書き出しにかかる時間を計測してみた。無効にした場合はGPUを使用せず、CPUのみでのレンダリング(ソフトウェアレンダリング)になる(今回は4K解像度の5分程度の動画を、プリセットの「YouTube 2160p 4K Ultra HD」で変換)。

Adobe Premiere Pro CCでの処理速度
GPUアクセラレーション(CUDA)有効 3分55秒
GPUアクセラレーション無効 11分22秒

 これを見ても、GPU性能の高さは動画編集の快適さにつながることがわかる。

 続いてTMPGEnc Video Mastering Works 7で、5分14秒の4K動画(2160p、H.264/AVC)を、解像度はそのままH.265/HEVCに書き出してみた。その際、エンコーダーを標準のx265(ソフトウェアエンコーダー)と、Intel Quick Sync Video(CPU内蔵エンコーダー)、NVENC(NVIDIA製GPU内蔵エンコーダー)に変更し、それぞれ変換が完了するまでの時間を計測している。

TMPGEnc Video Mastering Works 7での処理速度
x265 43分19秒
Quick Sync Video 12分50秒
NVENC 4分22秒

 結果を見てわかるように、NVIDIA製GPU内蔵のハードウェアエンコーダー「NVENC」を有効にするとx265のときよりエンコード速度が10倍以上になる。また、Quick Sync Videoを有効にしたときと比べてもかなり高速。このことからも、本機は動画編集などのクリエイティブワークには特に力強い味方になってくれると言えそうだ。

Adobe Premiere Pro CCの編集画面。動画編集を快適に行うことができた

Adobe Media Encorder 2020の「環境設定」画面。レンダラーにGPUを指定して高速化することができる

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