東アジアから世界のインターネットを構成する
出澤社長が持つ危機感が今回の統合のトリガーになっているのは確かである。日本のなかでだけの戦いを見ていれば、今回の統合は疑問が多いが、世界での戦いを視野に入れると、この統合の意味が理解しやすいだろう。
川邊社長も「オールジャパンとしてさまざまな協業を呼び掛け、日本の課題にフォーカスした他社ではできないサービスを提供したい。私は、東アジアから、世界のインターネットを構成する、もう一極を作ることが、経営者として、いまなすべきことであると考えている。
ソフトバンク、NAVER、ZHD、LINEは、いずれも東アジアに位置する会社である。最強のOne Teamとして、グループシナジーを利かせ、米国のGAFA、中国のBATに続く、第3局として、世界に羽ばたきたい」と述べる。
統合は約1年後である。
時価総額で1兆円以上を誇るプラットフォーマーの統合は日本では例がなく、独占禁止法の観点から、統合には想定以上に時間がかかるとの見方もある。市場の範囲をどう捉えるのか、データの取り扱いをどうするのかといった観点からも、関連当局の動きが気になる。
川邊社長は「審査を受ける我々がとやかく言う立場にはない」としながら、「著しくシェアが上がる分野はないのではないか」と補完関係の方を強調してみせる。
だが、1年という期間はやはり長い。
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