16コア32スレッドのRyzen 9 3950Xと同タイミングでの発表だったこともあり、陰に隠れてあまり注目されていないのがエントリークラスAPUの「Athlon 3000G」だ。2コア4スレッドとなるため性能は高くないが、GPUを内蔵しており、低価格PC自作に向いている製品となっている。
このAPUのエンジニアリングサンプルを発売前に借りることができたので、そのポテンシャルを軽くチェックしてみた。
従来のAthlonと同じ仕様だが、倍率ロックがないのが特徴
Athlon 3000Gの仕様を見てみると動作クロックは3.5GHzで、従来からあるAthlon 240GEと同じ。最大の違いは、動作クロックの倍率ロックがないことだ。つまり、「仕様上のスペックは同じだが、オーバークロック(OC)次第ではさらに上の性能が狙える」というメッセージと受け取れる。
実物のAthlon 3000G(エンジニアサンプリング)で「HWiNFO」を使い詳細情報を見てみると、Athlon 3000GのSteppingは「PCO-B1」となっていた。ここで不思議なのが、この「PCO-B1」というのは12nmでZen+を採用したRyzen 3 3200Gと同じものだということ。公式発表では世代の言及はないうえ14nmプロセスとなっているのだが、このStepping情報を信じるならば、Zen+で12nmだという可能性も否定できない。
そこで、編集部経由(11月19日現在)でAMDに問い合わせたところ、Athlon 3000GはZenでプロセスが14nmというのが正しいとの回答を得た。ただし、製品発表直後から閲覧できる仕様ページではグラフィックス周波数は「1000MHz」となっているが、これは「1100MHz」の間違いだとのこと。つまりAthlon 3000Gは、Athlon 240GEの倍率ロックをなくし、GPUクロックを100MHz上昇させたモデルということになる。
AMD公式サイトのAthlon 3000Gページ:https://www.amd.com/ja/products/apu/amd-athlon-3000g

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