デジタルコンテンツ制作能力を底上げするGeForce MX250
Zenbook 14のCPUとストレージの性能がわかったところで、次はGPUにフォーカスしてみたい。GeForce MX250はエントリークラスの位置付けなので、ゲーミング性能には高い期待はできないがデジタルコンテンツ制作におけるCPUのサポートGPUとして活躍してくれるはずだ。というわけで、上位構成と同じくCore i7-8565Uとメモリー16GBを搭載する格上の比較PCを用意し、GeForce MX250の有効性を総合ベンチマークソフト「PCMark 10」で検証した。
PCMark 10はアプリケーションの起動やビデオ会議、Web閲覧にスプレッドシート、ワープロへの入力とマクロ計算、写真編集にレンダリング処理、ビデオ編集といったオフィスでPCを使う場面を想定した総合性能ベンチマークソフトだ。実際にアプリケーションを走らせてその処理能力をスコアーで示してくれる。
ちなみに、PCMark 10のスコアーはCPUやシステムメモリー、ストレージにグラフィック処理など、個別テストの結果それぞれにウェイトをかけて総合スコアーとして処理した値だが、個別テストの結果も得ることができる。
比較対象のPCと比べてPCMark 10のスコアーは高い値を示しているが、これは個別テストのスコアーでGPUのアクセラレーション機能が利用できるテストではGeForce MX250によって高いスコアーを出しており、それが相当スコアーの算出に影響していると考えられる。CPUのクラスは格上でも外付けGPUを実装した効果が表われていると言えるだろう。
さらに、GPU性能について深掘りしてみたい。PCMark 10ではIntel UHD Graphicsとの性能差を見せつける格好となったが、では一般的なゲーミングノートPCと比べるとどうだろう? 先の試験とは別にGeForce GTX 1650を採用するゲーミングノートPCを用意して比較してみた。
さすがに比較対象がGeForce GTX 1650と上位クラスの外付けGPU搭載モデルになると、ZenBook 14の3DMark関連スコアーは弱めに見える。もともと採用しているGeForce MX250が重い3Dゲームを快適に動かすことが目的ではなく、軽量級3Dゲームや動画コンテンツのデコードとエンコード、3Dレンダリングなどの演算支援を想定しているためだ。もし、ゲーム目的でZenBook 14を使うなら、画質設定を低めにするか、3D負荷が軽いタイトルをプレイするといいだろう。