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YouTubeは収益多様化で違反コンテンツを抑止できるのか?

2019年09月29日 10時00分更新

文● 油納将志 編集●飯島恵里子/ASCII.jp

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日本では、2017年2月にサービスを開始したスーパーチャット。スーパーチャット を視聴者が購入すると、購入金額に応じて購入者のアイコンがチャット フィードの上部に一定時間固定表示され ※GIFアニメが正しく表示されない場合は、オリジナルサイトをPC表示にしてご覧くださいる

ファンとクリエイターの関係性を強化する支援策を活用

 「この結果は、ファンの方々が非常にパッションを持って、クリエイターを支えているという表れでもありますね。ファンはスーパーチャットに参加することによって、クリエイターに認めてもらうという喜びも得られます。スーパーチャットが大変人気ですので、さらにクリエイターにアピールできる機能「スーパーステッカー」も、スタートさせました。

 これはチャット内で使うステッカーを購入できるサービスで、ファッション&ビューティーやスポーツ、ミュージック、フードなど色々なジャンルのステッカーが用意されていますが、こちらは国ごとにローカライズされています。日本ではバーチャルYouTuberのキズナアイがすでに導入しており、今後も利用するクリエイターが増えていくことでしょう」

 さらに2018年6月からスタートした「チャンネルメンバーシップ」も好評だ。こちらは視聴者が毎月料金を支払うことによってチャンネルのメンバーになり、バッジや絵文字、その他のアイテムなどの特典を得られる仕組みとなっている。モーハン氏が例に挙げたのは、カナダ人夫婦による著名な YouTube クリエイターで日本の観光や文化を海外に発信しているサイモン&マルティナ。彼らにとって収益の多角化だけでなく、ファンとの距離感も近くする効果がもたらされたという。

 「おかげさまで、こうしたクリエイター支援プログラムはとてもよい反応をいただいています。もちろん日本のクリエイターのみなさんからもです。日本に来ていつも楽しく思うのは、日本のクリエイターたちが未来に対して、とても明るい展望、希望を持っていること。こんなアイデアがあって、こういうことをやってみたいといつも私に話してくれます。彼らと会うたびにすごく勇気づけられ、活力が得られます。彼らがやってみたいという新しいイノヴェーションを実行できるようにするのも私の役割のひとつ。そのために今後も色々と考えて、投資を行なっていきたいですね」

 スタート時と変わらないオープンなプラットフォームを維持しながら、不適切なコンテンツは許さないという確固たる意思のもとで発展を遂げてきたYouTube。日本をはじめ、世界中のクリエイターたちが健全に活躍できる環境を維持しながら、ファンとの関係性の強化、収益の多角化も推し進める支援策もクリエイターとファンから支持されている。現在約100万本がアップロードされているというVR動画へのさらなる対応も含めて、YouTubeの顧客体験はこれからも進化が期待できそうだ。

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