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KDDIウェブコミュニケーションズはリセラー・ゴールドSIパートナーへ

クラウド電話APIの始祖Twilioが日本法人を設立 新パートナーも発表

2019年09月02日 16時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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 2019年8月30日、コミュニケーションプラットフォームを手がける米Twilioは日本法人Twilio Japanを設立した。6年間にわたって日本市場での展開を担ってきたKDDIウェブコミュニケーションズを引き継ぎ、拡がりつつあるエンタープライズでの音声・コミュニケーションサービスのビジネス拡大を進めていく。

クラウド型電話APIからコミュニケーションプラットフォームへ

 2008年に米サンフランシスコで設立されたTwilioは、クラウド型のコミュニケーションプラットフォームを手がける。2016年にニューヨーク証券取引所に上場し、株式時価総額180億ドルを誇るユニコーン企業で、年間の売上高は10億ドル以上、前年比成長率を86%に上る。グローバルのオフィスもすでに24カ所、従業員数も2300名以上に拡大している。Twilio アジアパシフィック&ジャパンのヴァイスプレジデントであるアンジー・ベル氏は、「もっとも革新的な企業トップ10やデストラクティブなテクノロジーのファイナリストに選ばれたほか、ベイエリアではもっとも働きやすい職場として認知されている」とアピールした。

Twilio アジアパシフィック&ジャパンのヴァイスプレジデント アンジー・ベル氏

 電話の機能をソフトウェアから利用できるようにする「クラウド電話API」として知られているTwilioだが、現在は音声のみならず、SMS、チャット、メール、動画、SNSメッセンジャー(LINE/WhatsApp/Facebook Messenger)などさまざまなツールを利用可能なAPIを提供。また、グローバルネットワークと9地域27カ所のデータセンターをベースとした「スーパーネットワーク」が構築されており、180の国と地域で電話番号を利用でき、600億件のインタラクション数をさばいている。さらに企業買収によりメール配信(SendGrid)、認証(Authy)、SMSメッセージング(Beepsend)、WebRTC(Kurento)コンタクトセンター(YTICA)などサービスを拡充している。

電話の機能をAPIから利用できるTwilio

 グローバルのユーザーは16万を超えており、UberやAirBnBなどのスタートアップ、マイクロソフトやセールスフォース、Boxなどのクラウド事業者、モルガンスタンレーやアラスカ航空などのエンタープライズ企業まで多岐にわたる。たとえば、ライドシェアのLyftはTwilioの電話機能を活用しており、電話番号をマスキングしてアプリから通話できるようにしている。また、外勤営業から顧客への通話を会社番号で通知できるほか、コンプライアンスチェックのために音声をテキスト化することも可能になるという。

KDDIウェブもリセラーへ 新たなパートナーも発表

 これまで日本市場においては、6年間に渡ってKDDIウェブコミュニケーションズが独占的にTwilioのビジネスを手がけてきた。今回日本法人を設立された背景は、Twilio本社が日本を最重要マーケットと認定したことが挙げられる。日本法人Twilio Japanの社長に就任した今野芳弘氏は、「クラウドコミュニケーションプラットフォームのリーダーになり、日本企業のイノベーションの推進やデジタルトランスフォーメーションの加速に貢献する」と語る。

Twilio Japan 代表執行役員 社長 今野芳弘氏

 具体的には日本法人設立により、日本語化を含む製品対応を加速するとともに、直接販売の能力やSIパートナーのサポートなどを強化し、認知度の強化やコミュニティの拡大にも力を入れる。また開発者がAPIで扱える電話・音声処理はもちろん、フォーカス分野として、二要素認証のAuthy、メールマーケティングプラットフォームのSendGrid、次世代コンタクトセンタープラットフォームのTwilio Flexなどのサービスを挙げられるという。デジタルトランスフォーメーションや次世代コンタクトセンター、働き方改革やコンプライアンスに寄与するコミュニケーション、レガシーインフラの刷新など幅広い需要も見据えていく。

 一方で、2013年からTwilioを手がけてきたKDDIウェブコミュニケーションズは、日本法人設立後もリセラーおよびゴールド・SIパートナーとして販売とサポートを継続する。KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長の山崎雅人氏は、「今まではスタートアップが多かったが、最近はエンタープライズ企業に入り始めてきた。市場が追いついてきたので、Twilio Japanとともに市場を拡大していきたい」と語る。

KDDIウェブコミュニケーションズ 代表取締役社長の山崎雅人氏

 また、日本法人設立にあわせて新たなSIパートナーを発表した。KDDIウェブコミュニケーションズに加え、NTTコミュニケーションズ、NTTデータ・スマートソーシング、サーバーワークス、テラスカイ、パウンド4テクノロジー、クラスメソッド、ウルシステムズの7社となる。

TwilioのSIパートナー

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