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スペースX、スターホッパーの最後の飛行テストに成功

2019年08月29日 07時53分更新

文● Neel V. Patel

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8月27日夕、スペースX(SpaceX)はテキサス州ボカ・チカの発射施設から、スターホッパー(Starhopper)の2度目となる自由飛行テストを実施した。スターホッパーは、将来打ち上げを予定しているスターシップ(Starship)ロケットのテスト用プロトタイプだ。今回スターホッパーは、7月下旬に実施された最初の飛行テストの8倍以上の高度である約149メートルまで飛び、57秒以上飛行して安全に着陸した。

スターホッパーは、ステンレス鋼で覆われた給水塔のような形をした、高さ約18メートルのずんぐりしたロケット船だ。人間を月や火星、その他の星へ運ぶことを目指す「スターシップ」に搭載するラプター(Raptor)エンジンの新バージョンのテストを目的としている。

2回目のスターホッパーのテスト飛行は8月26日の夕方に実施される予定だったが、電気配線の問題により発射直前にテストはキャンセルとなってしまった。スペースXのイーロン・マスクCEO(最高経営責任者)は、この件について「恥ずべきことです」と話している。

今回のテストは、スターホッパーの最後の飛行テストだ。今後スターホッパーは分解され、再利用可能な部品が回収される。マスクCEOは年内に、スターシップの開発に関する最新情報を発表すると見られている。

スペースXは、Mk1、Mk2と呼ばれる、再利用可能なスターシップの実物大プロトタイプ2機の開発を続けている。この2機は、スペースXの別々のチームによって開発、およびテストされている。 マスクCEO によると、Mk1とMk2は、今秋にも準軌道飛行のテストを実施する可能性があり、来年には軌道飛行テストをする可能性があるとのことだ。確かに、今回スターホッパーはほぼ予定通りに過去最高の高度での飛行テストを成功させたわけだが、スペースXの話す「今後の予定」に関しては慎重に捉えた方がよさそうだ。

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