最近のノートPCは性能を重視すると10万円前後が主流だ。一方で低価格ノートPCも健在で、性能より価格を重視しているユーザーに支持されている。そんな低価格ノートPCながら、通常よりワンランク上の仕様を備えたモデルが登場した。ツクモの「eX.computer note TSNB14UP1」シリーズで、価格は税別2万9800円。低価格の印象を払拭する本製品をチェックしてみた。
画面サイズは14.1インチのフルHD(1920×1080ドット)で視野角の広いIPS液晶を採用。視認性が高くて発色もよく、一般ユーザーに人気の高いIPS液晶を採用したのはポイントが高い。本体サイズは幅332.5×奥行き223.5×高さ21.8mmで、重量は約1.5kg。筐体はポリカーボネートだが、MacBook Airに似たデザインで、外観には特にロゴもなく実にシンプル。スリムで持ち運びやすくなっている。
キーボードは、キーピッチ約20.8mm(実測)とフルピッチより広いサイズ。キータッチは、パコパコ感は否めないもののキーストロークは約1.1mm(実測)確保されている。ただ、右側のSHIFTキーの位置が変則的なため、最初は慣れが必要かもしれない。特に筆者はかな入力のため、「ろ」キーが離れているのは残念だ。
タッチパッドは、ボタンなしのタイプで、Windowsの2本指、3本指操作などにも対応している。キー操作時のパームリジェクションが働くので、タイピングの邪魔はしない。タッチパッドのオン/オフも可能で、マウス接続時やタイピングに集中したいときはワンタッチで切り替えられる。
特徴的なのが低価格ながらインターフェースが充実しているところ。USB3.0端子が2つにUSB3.1 Type-C端子が1つ備わっており、PowerDelivery(PD)にも対応。PD対応充電器による本体充電も可能だ。さらに、Mini HDMI端子を搭載し、Micro SDカードリーダーも備えている。200万画素のウェブカメラもディスプレー上部に備わっているので、ビジネスワークで利用するマシンとしても遜色ない仕様だろう。
CPUは、2コアのCeleron 3867U(1.8GHz)を搭載。メモリーは4GBで内蔵GPU(インテルHDグラフィックス610)をビデオメモリーとして利用するため、Windows 10の動作に必要最低限なレベルだ。
ストレージは、M.2 SATA接続の64GB SSDを搭載。低価格モデルに多いeMMCではないので、動作は軽快だ。また、ネットワークはIEEE 802.11acに対応。このあたりも価格を抑えるため11nまでというパターンが多いが、低価格モデルとしては頑張っていると言えよう。
バッテリー駆動時間は約7.5時間(公称値)。ボディーサイズからすると若干短いかもしれないが、モバイルノートというわけではないので、これで十分だろう。付属のACアダプターは小型タイプなので、たとえ持ち運んでもそれほど負担にはならないはずだ。
めずらしいのが、OSにWindows 10 Proを採用しているところ。これによりドメイン参加が可能なため、社内や学内での利用でも安心して利用できる。
CPU性能とメモリー容量が値段相応な仕様だが、そのほかはミドルクラスと言っても過言ではない。性能的にメインマシンとして利用するのは少々厳しいかもしれないが、今後必修となるプログラミング学習用として子供に買い与えるには十分だろう。家計にも優しくバソコン操作をマスターするにはオススメのマシンだ。