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オキュラス創業者の軍事企業、日本の米軍基地にAI監視システム納入へ

2019年07月29日 07時01分更新

文● MIT Technology Review Editors

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オキュラス・リフト(Oculus Rift)の創業者パルマー・ラッキーが設立したアンドゥリル(Anduril)は、独自の自律監視技術で米軍基地を監視する契約を獲得した。

政府文書によると、アンドゥリルは最近、自律システムを使って米海兵隊基地を監視する1350万ドルの契約を獲得した。対象となる4つの基地のうち2カ所は日本で、ほかはハワイとアリゾナ州にある。

今回の契約では、24時間体制で自律的に「陸上を歩いている人、車輪のついた乗り物、水面を泳ぐ人、船舶やボートなどを探知および識別、分類、追跡ができるシステム」が要件。アンドゥリルはセンサータワードローン、機械学習を使用して侵入者を自動的に識別する「ラティス(Lattice:格子状の柵)」と呼ばれる周辺監視システムを開発している。

プロジェクト・メイブン(Project Maven)からグーグルが撤退したことが示すように、人工知能(AI)の軍事利用は議論の的となっている。だが、今回の契約が証明するように、AIテクノロジーはすでに急速に防衛分野に進出している。また、今回のニュースは、スタートアップ企業のスピードに既存の防衛関連企業が追い越される可能性についても強調する格好となった。

アンドゥリルはラッキーをはじめ、政府機関にデータ分析サービスを提供するスタートアップ企業パランティア(Palantir)の元社員らによって設立された。ラッキーはこれまでに米国の国境監視向けのテクノロジーを開発したことで、政治的な色彩を帯びた議論を呼び起こしている。

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