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マカフィーが警鐘を鳴らす 個人のプライバシー管理とダークウェブの脅威

2019年07月23日 16時00分更新

文● 島徹 編集●ASCII編集部

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生まれた時からプライバシー情報が流通する

 続いて、チーフコンシューマセキュリティエヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏が、個人のプライバシー情報の扱いについて複数の事例を述べた。

チーフコンシューマセキュリティエヴァンジェリストのギャリー・デイビス氏

 現在の子どもは生まれた時から写真や体重などの情報がSNSなどを通じてデータレイクに取り込まれているという。

子どものプライバシー情報はSNSなどへ、データレイクとして保持されていく

 また、近年ではティーン世代を中心に、音楽動画アプリの「TikTok」や、撮影した顔を老けさせるフィルター「FaceApp」など、欧米ほか海外で流行したアプリやサービスが短期間で日本でも流行している。だが、ギャリー氏によると「FaceAppは規約によると顔情報がロシアのサーバーへ永久に保存される。TikTokも中国のサーバーへ保存される。これら2ヵ国の政府は市民のプライバシーをあまり考慮していない」と述べた。

 その上で、子どものプライバシー情報は、それが共有された後に何が起きるのか理解する必要がある。親は子どもに対して、どういったプライバシー情報なら安全か、またはリスクがあるのかを話すことが必要になっているという。

 キャッシュレス決済については、スマートフォンでの決済は安全だが、紛失やマルウェア、セキュリティー対策のないWi-Fiに接続した場合のトランザクションの盗聴などのリスクがあるという。中でも「マルウェアのインストールが前年29%増となっており、モバイル決済をターゲットとしたものが増えてきている」(ギャリー氏)

 プライバシー情報についてはすでにデータが貨幣になっているという。Ponemon Instituteによるデータ漏えいコストに関する調査報告書(Cost of Data Breach Study: Global Analysis)では、企業のデータ侵害による1レコードあたりのコストは158ドルで、侵害によるブランド価値の回復に1年かかり、ブランドバリューは1億8400万ドルから3億3000万ドルかかるというデータを示した。

Ponemon Instituteの調査による1つのデータレコード流出に対するコスト

 また、Facebookが最大8700万人ぶんの個人情報の流出で50億ドルの支払いが決まった件については、「これは少なすぎると思っている。決定した後に株価が上昇している」と述べた。

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