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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第614回

10年以上前に公園にいた猫に会いに行ってきた話

2019年06月12日 10時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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DOGの服を着て幸せそうなチロ

 先日、チロを引き取ったおばあさまのお宅へ遊びに行ってきた(長い前置きだった。すまぬ)。おじゃましまーすとおうちへ入ると、なんと「DOG」と背中に書かれた服を着たチロがそこに! いつの間に犬になったんだ。

DOGと描かれたベストを着て、人間用ベッドの上でくつろいでたチロ。なつかしやー。2019年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 チロは長年首筋から胸元が痒いのか爪でボリボリ掻く癖があって、いつもそこだけ毛が抜けて傷ついていたのだ。これは2009年の写真。胸元に注目。この頃はまだ肌が見えている程度で済んでいた。

首筋から胸元。痒いのかボリボリ掻きすぎて毛が抜け、この数年後になるとひどい時期には真っ赤になってたのである。2008年3月 ソニー α350

 その後徐々に良くなったり悪化したりを繰り返し、見た目的にアレなので写真は載せないけど、ちょっと心配ではあったのだ。おばあさまも公園から引き取って室内飼いにして環境を変えたら治るのではないかと思っていたそうだが、家に連れてきても症状は変わらず。獣医に診てもらっても快方に向かわず、とりあえず掻いても傷つかないよう犬用の服を着せてみたらこれが当たり。

 当人(いや当猫か)は意外に嫌がらず、ときどき掻いても服越しなので傷つかないってことでこうなってる次第なのだ。にしてもまあ、DOGとでっかく書かれた服を着てる猫っておかしすぎる。

 かくして、公園時代晩年はやさぐれたのか、怖い顔で警戒されたりしてたのだが。

灌木の中に隠れてじろりとにらむチロ。一番険しい表情かも。2016年12月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 室内猫になって落ち着いたのかまたかつての人なつこいチロに戻り。

指を出すと鼻を近づけて匂いを嗅ぐ仕草は若いときのチロと同じ。2019年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 そしてときどきキャットタワーに上って、外を恋しそうにみつめるのであった。

こういう姿を見ると、外が恋しいのかなと思いますが、まあ多くの猫は窓を開けて網戸にすると外の臭いにつられてこうなります。2019年5月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 子供の頃、公園に捨てられたと思われる猫がそこで成長し、ネコ好きの方に引き取られて一生を終えそうだ、というよい話でした。

 さて、では公園に残されたパンダはどうなったかというと、それはまた別の話。ではまた。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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