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1人1台、ノートPCを支給! 松田校長が実践する最先端のICT教育とは

朝はノートPCを取りに行くところから始まる 東京の公立小学校の試み

2019年06月24日 11時00分更新

文● 日本エイサー

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Contents/前原小学校「朝の会」レポート/松田校長インタビュー/子どもたち&現場の先生の声!

 児童1人に対し1台のノートPCを支給し、最先端のICT教育を行う、東京都小金井市立前原小学校。2020年のプログラミング教育必修化に先駆けてプログラミング授業を実践し、他にも、朝の会、総合的な学習の時間、英語、算数など、あらゆる教科で、 Google Chrome OS のノートPCを活用しています。実際の授業とはいったいどんなものなのか、そして、子どもたちの創造力を最大限に引き出すICT活用のポイントとは……? ICT教育の先駆者として注目を集める松田孝校長にお聞きしました。

ノートPCで広がる、朝のコミュニケーション

 前原小学校の朝は、「自分のノートPCを取りに行く」ところから始まります。登校した児童たちは、まず、教室のうしろの棚にズラリと並んだノートPCのなかから、自分のノートPCをピックアップ。席に着くと当たり前のようにPCを立ち上げ、学習支援システム「schoolTakt(スクールタクト)」を使って、その日の調子や前の日の夜にやったことなどを書き込んでいくのです。

朝の会の様子。子どもたちの真剣なまなざしが印象的。

「今日も元気です! 1日、楽しくがんばろー!」
「昨日はワールドカップに夢中になって夜更かししちゃった!」

 そんなコメントが次々と子どもたちのノートPCに、掲示板のような形で一覧表示され、アップされたコメントに返信がついて......。まるでチャットのようなテンポのよいやりとりが続き、同時に教室のなかでも「俺もワールドカップ見たよ!」「面白い動画、見つけちゃった!」などの声が、あちらこちらからさかんに湧き上がります。

 「1人に1台ノートPCを支給し、ICTを活用することで、児童全員が発言する環境をつくることができました。教師が子どもたちの調子を一気に把握できるところ、子どもたち同士がクラスメイトの様子を共有できるところも、とてもいいなと感じています。こうしたやりとりを朝の時間に行うことで前向きな雰囲気が出来上がり、子ども同士がお互いを気にかけフォローし合うという動きも生まれました」

 こう語るのは、前原小学校をICT教育の先進校に育て上げた松田孝校長先生。教室の中央にはAIスピーカーやロボホンが置かれ、ほとんどの時間、立ち上がった状態になっているそうです。ノートPCやICT機器が当たり前のように溶け込み、教師と子ども、子どもと子どものコミュニケーションをアクティブに広げている、そのイキイキとした空気が、教室中にあふれているのが感じられました。

授業を見れば意識が変わる! プログラミング教育は怖くない!

東京都小金井市立前原小学校・松田孝校長。総務省の「『次世代学校ICT環境』の整備に向けた実証」に参画することを提案し、同校のICT教育を強力に推進した。その先進的な取り組みが、教育業界で注目を集めている。

 松田校長が前原小学校にやってきたのは2016年のことでした。当時はごくごく普通の公立小学校だったそうですが、松田校長が前任校でのICT導入経験を生かして、WiFi環境の整備や機器の導入などに着手。着任初年度のうちに3年から6年生の10クラスを対象に、年間20時間のプログラミング授業を実践するに至りました。

 「ICT教育を導入する際に注力したのが、先生や保護者の不安を払拭すること。自分たちが体験したことのない教育を実践することへの抵抗感を取り除くため、まず私が授業を行い、その様子を見てもらうようにしました。実際に端末を使いながら、子どもたちが楽しそうに学ぶ様子を見ることで、少しずつ先生や保護者の意識が変わっていったようです。『1人で黙々と作業を続けてしまうのではないか』というネガティブなイメージもなくなって、情報を共有することでむしろ豊かなコミュニケーションが広がること、思いやりが生まれることを理解していただけたように思います」(松田校長)

 松田校長が最初に行ったのは、プログラミングの模擬授業でした。授業をする際に意識しているのが、「教えない」ということ。教室のなかに子どもの興味を引きそうなロボットやデジタル機器を置いておき、「なんだろう?」「面白そう!」という関心を引き出したら、「これ、自分で動かせるんだよ!」と伝え、最小限の説明を行います。あとは子どもたちの好奇心に任せて、自由なプログラミング活動へ。すると、自然と質問や子ども同士の学び合いが生まれ、豊かな関係性が構築されていきます。

 「ICT教育を実践することで、私自身の考えも180度変わりました。機器を活用し学びを効果的に共有することで、こんなにも楽しい場をつくることができる。これからは、教師が画一的な指導を行い"教える"のではなくて、子どもたちが自ら"学ぶ"時代になっていくのだろうなと。教師は、ファシリテーター的な役割に変わっていくのだろうなと考えています」(松田校長)

丈夫で機能的。教育現場に適したノートPCとは?

「以前使っていた Chromebook は、WiFiが切れやすく、画面が小さいのが気になっていた」と松田校長。Acerの Chromebook に切り替え、課題が解決されたと語る。

 前原小学校で使われているのが、Acer(エイサー)の Chromebook(クロームブック)というノートPCです。最大の特長が、「OSやアプリケーションがクラウド上で動き、データもすべてクラウド上に保存される」というところ。1つひとつの端末上でアプリケーションを動かす必要がなく、また、データをローカルに保存する必要がないことから、高価な高性能CPUや大容量のHDDが不要で、これによって"軽い動き"と"手頃な価格"を実現することができました。

 「Acer Chromebook なら、一般的なノートPCより安価に購入することが可能です。『タブレットではなくノートPCでタイピング技術を身に付けてほしい』『クラウドコンピューティングの時代を見据えて、1人に1台端末を支給したい』、こう考えていた私たちにとって、安価なノートPCというのはとても魅力的でした。立ち上がりが早くサクサク動くところ、バッテリーの持ちがいいところ、学校での使用を想定した頑丈なつくりになっており多少乱暴に扱っても壊れないところも気に入っています」(松田校長)

 その他、管理がラクなところも魅力のひとつ。一般的なノートPCの場合、すべての端末に対し、1つひとつ手作業で、OSやアプリケーションをアップデートしたり、セキュリティソフトをインストールするなどのメンテナンスを行わなければなりません。一方、Acer Chromebook は、非常にセキュアなOSのためそもそもセキュリティソフトをインストールする必要がないのです。専用の管理コンソールを使って学校にあるすべての端末を簡単に管理でき、アップデートは一瞬で反映されます。

 「タブレットを導入する学校も多いと聞きますが、これからの時代はタブレットではないと思います。タブレットはコンテンツの活用に適したツール。ノートPCは、コンテンツの活用だけでなく自由に自己表現が行えるツールだと思うのです。これからはノートPCを使って、キーボードで自分の考えを活字にして表現できる、そういうリテラシーやインテリジェンスを育まなければならないのではないでしょうか? 学校教育に適した特長を持つAcerの Chromebook 、私は最高のツールだと思っています」(松田校長)

 今後はAcer Chromebook を中心にした主体的な学びを、ますます推し進めていきたいと考えているそう。「日本の教育から勉強という言葉をなくしたい」、こう話す松田校長。クラウドを活用して、子ども自らが情報を見つけ、教え合い、成長する、そんな教育を目指し続けています。

現場の先生に聞きました!「ICT教育のホンネって......?」

 アナログな授業をしていたときは、どうしても、先生のやり方で、一斉に、画一的な授業を行わざるを得ませんでした。ICTを活用することによって、1人ひとりの子どもにペースや学び方を合わせて、マンツーマンに近い教育ができるようになりました。この子の場合は映像で、この子の場合は文字で教えようとか、いろいろなやり方ができるようになったところが嬉しいですね。ICTと言われると難しく考えてしまいがちな先生も多いと思うのですが、まずは触ってみてほしい。「Scratch(スクラッチ)」や「micro:bit(マイクロビット)」など、教育用に開発された簡単な機器も多いので、まず触ってみることで、不安が払拭されるのかなと思います。

 実際にプログラミングの授業をやってみて、「子どもたちが変わった」というよりも「自分がいちばん変わったな」と感じました。子どもたちが私の知らない世界を示してくれ、「こんなこともできる」「あんなこともできる」ということを教えてくれる。私が教えていないこともどんどん発見して、新しい世界を開いていくんです。今日も子どもたちが勝手にプレゼンのスライドにアニメーションを使っていて(笑)。それを他の子に教えている。私たちが思っているよりもずっと、子どもたちの「モノをつかむスピード」は速く、そして大きな世界を持っているんだなあと実感する毎日です。

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