アップルがWWDC 2019を開催
6月3日(米国時間)、アップルの開発者向けイベント「WWDC」では、今年もiOSやMacについて多数の新情報が出てきました。
中でも筆者が注目したのは、iPadのハードウェア性能をこれまで以上に引き出すかもしれないソフトウェアの進化です。
■iPadOSはハードの潜在能力を引き出せるか
iPad向けのOSとして新たに登場した「iPadOS」からは、iOSをベースにしながらも、iPad独自の機能を積極的に加えていく姿勢が見えてきました。
背景にはiPad Proの進化があります。2015年に登場したiPad Proはキーボードやペン入力に標準対応することで、単なるコンテンツビューアーではなく、ビジネスやクリエイティブ用途を見据えた進化を始めました。
最新のiPad Proは、薄型軽量のボディに圧倒的なディスプレーや通信機能を搭載し、PC並みの処理能力やストレージを備えています。しかしiOSにはPCのような自由度がなく、ハードの進化にソフトが追いついていない感がありました。
これに対してiPadOSでは、ホーム画面のウィジェットやキーボードショートカットの追加など、同じアプリを2個開いての作業など、iOSとは一線を画した新機能が増えることがアップルのWebサイトで紹介されています。
PCでは当たり前の「ファイル操作」も重要な進化ポイントです。iOSは「ファイル」ではなく「写真」や「音楽」としてデータを扱う設計思想で作られてきました。しかしPCを併用しながら仕事を進めていく上で、ファイル操作は避けて通れない道です。
iPad Proだけで仕事ができないものか、これまで筆者はキーボードを工夫したり、iPad Proを2台持ち運んでみたりと試行錯誤をしてきました。その結果は、不可能というほどではないものの、同じ仕事を終わらせるのにPCより時間がかかることが多く、今ではMacBook Airを持ち歩く生活に戻っています。
しかしiPadOSにより、iPad Proが本当の意味で仕事に使えるとなれば話は変わってきます。価格が20万円を超えても、十分に元が取れると考える人も増えるはずです。ソフトが進化すれば、iPad Proのさらなるハードの進化につながるというわけです。
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