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MoguraVRのゲームとって出し 第110回

全く同じミニチュア世界をいじって目の前のパズルを解け!

一風変わったVRパズルアドベンチャー「A Fisherman's Tale」

2019年05月31日 15時15分更新

文● Mogura VR

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 今回は、VRパズルアドベンチャーゲーム「A Fisherman's Tale」を紹介しよう。本作は自分の世界と全く同じミニチュアの世界を使った不思議な脱出ゲームを楽しめる作品だ。

 ゲームは小さな小屋から開始する。小屋の中には小屋と全く同じ作りのミニチュアが用意されており、ミニチュアを操作すると自分の世界も反映するといった仕組みとなっている。プレイヤーは自分がいる世界とミニチュアの世界を上手く利用して、灯台のてっぺんを目指すことになる。

プレイヤーの前にあるミニチュアはこのプレイヤーがいる灯台小屋でもある

 プレイヤーがいる部屋を見回ると、ドアの前には大きな錨(いかり)が置いあることが確認できる。どうやらこの錨が邪魔をして先に進むことができないようだ。錨は大きく重いため、手で直接移動させようとしてもびくともしない。

錨が邪魔をして先に進めない

 そこで、本作の「プレイヤーがいる世界とミニチュアの世界が連動する」仕組みの出番となる。ミニチュアの世界にはプレイヤーがいる小屋と同じようにドアの前に錨が設置されている。プレイヤーがいる小屋の錨は重くて運べないが、ミニチュアの錨であれば手で持つことができるのだ。ミニチュアを操作するアクションでは、目の前に自分の巨大な手が現れるといった不思議な感覚になる。

 また、本作ではミニチュアのオブジェクトを操作する以外にも「ミニチュアのオブジェクトをプレイヤーの世界で使用する」ことも可能だ。たとえば、先ほどのミニチュアの錨は棚の取っ手として利用することができる。お邪魔だったオブジェクトが、一転して攻略に必要なアイテムとなった。

ミニチュアの錨を棚の取っ手として利用

 このように、プレイヤーは自分がいる世界とミニチュアの世界それぞれに介入しながらパズルを解き進めることになる。周囲のものを自由に手に取り、組み合わせたりとパズルを攻略していこう。全体を通してパズルの解く方法はさまざまで、繰り返しの作業と感じることはなく、趣向を凝らしたパズルが毎回楽しめる。

 本作のオブジェクトはほぼすべて触れることができるようになっている。攻略に関係ないアイテムも自由にいじれるようになっており、あれこれ試しながらパズルができるのも良い点だ。もし、パズルに行き詰まってしまったら、ゲーム設定から「ヒント」にチェックマークを入れてみよう。音声ガイドがパズルのヒントを与えてくれるようになる。

 パズルの道中には、浮き輪やキャプテン帽を欲しがるヤドカリや、干からびかけている魚など、ユニークなキャラクターたちが登場する。魚は助けると口の中に入って大小の世界を移動ができるようになる。こういった演出もなかなか面白い。

魚の口の中に入って世界を移動

 本作は全6チャプターに分かれている。各チャプターの間にはムービーシーンが挿入されており、視点は俯瞰や主観などさまざまな見せ方をしてくる。嵐の中、主人公が操縦する船が大波に飲み込まれるシーンは中々の迫力。パズルやムービーを通じて主人公が置かれていてる状況を想像していくことができる。

船が大波に巻き込まれてしまう 

 本作のパズルの難易度はそこまで難しくなく、2時間ほどでクリアすることができる。本作はパズルを次々と解いていくというよりも、アドベンチャーゲームの中にパズル要素が組み込まれていると言っても良い。一風変わったパズルゲームをやってみたいという方は是非オススメしたいタイトルだ。

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