海の最深地点への潜水探査中に、いくつかの驚きの発見があった。
退役海軍士官のビクター・ベスコボが操縦する潜水艇は、4時間におよぶマリアナ海溝の探査中に海面下1万927メートルまで下降し、最深潜水記録を達成した。 マリアナ海溝は太平洋にあり、フィリピンの東、日本の南に位置している。
今回のマリアナ海溝への潜水は、世界の5つの海の最深地点を探査する試みである「ファイブ・ディープス・エクスペディション(Five Deeps Expedition)」の潜水探査プログラムの一環として実施された。自身の潜水任務に自ら出資しているベスコボはこれまでに、インド洋、大西洋、南極海での潜水をすでに完了している。 同氏は今年8月には、モロイ・ディープ(Molloy Deep)として知られる北極海の最深地点への挑戦を目指している。
リミティング・ファクター(Limiting Factor)と命名されたこの潜水艇は、長さ4.5メートル、幅2.7メートル。船体は厚さ9センチのチタン製で、 海底でのとてつもない水圧に耐えられるようになっている。1回に16時間の潜水ができるよう設計されており、さらに、非常時用として96時間分の空気も用意されている。
ベスコボは、4つの新種を発見した可能性がある一方で、ビニール袋とキャンディの包み紙も発見した。海底でプラスチックごみが発見されたのは今回が初めてではないが、この問題の規模の大きさを思い起こさせる。 毎年約800万トンのプラスチックごみが海に投棄されており、そのほとんどは河川から流入してくる。このままで行くと2050年までには、海中には魚よりもプラスチックごみの方が多くなると国連は予測している。