●心配なのがiPhoneと中国
iPhoneの成長の減速は、世界のスマートフォン市場の停滞を考えればさほど驚くべきことではありませんが、これまで世界のスマートフォン販売台数2位を維持してきたアップルはファーウェイに抜かれて3位が定位置になりつつあります。
トップのサムスンも2位のファーウェイも2019年には次世代通信規格となる5Gに対応したスマートフォンを投入し、買い替え需要を喚起することになるでしょう。
アップルはクアルコムとの係争とIntelの5Gチップの遅れから2019年に5G対応iPhoneを登場させることは難しそうですから、このままずるずるとクアルコムと裁判を続けていれば、停滞気味のiPhoneにとって数少ない需要喚起のチャンスを逸することになっていたでしょう。その点でも、アップルのクアルコムとの和解は「そうせざるをえなかった」と見ることができます。
2014年以降、iPhoneの急成長によってアップル自体のビジネスを飛躍的に拡大させたのが中国市場の存在です。しかしアップルは中国市場で引き続き苦戦しており、中国での売上高は前年同期比21.5%減の102億ドルに留まりました。
ティム・クック氏は中国について、決算発表後の電話会議で米中貿易戦争に触れて「11〜12月は過去半年の中で最も厳しい期間だった」とふりかえっています。米国時間4月30日の時点での見解として、当時よりも今日の方が健全な雰囲気を取り戻しており、消費者信頼感が前向きになっている、との見方を示していました。

この連載の記事
-
第321回
トピックス
10万円前後のMacBook その存在は“ワクワク”か、“退屈”か -
第320回
トピックス
アップル「iPad Pro(M5)」、もはや“Mac代わり”になり得る存在に -
第319回
トピックス
ヘンテコな「iPhone Air」の良さがジワジワ伝わってくる。折りたたみモデルの布石としての設計とは -
第318回
iPhone
アップル「iPhone」「iPad」最も注目すべき4つの新機能 #WWDC25 -
第317回
Apple
アップル初のApple Parkでの開発者イベント、初公開の「Loop Building」とは -
第316回
Apple
「Mac Studio」アップルの多様すぎる接尾語について考える -
第315回
Apple
アップル「Mac Studio」登場で生じる、ラインアップへの疑問 -
第152回
Apple
アップル「MacBook Pro」ポート増加は敗北なのか -
第151回
Apple
iPhone分解アートと、Appleが目指す未来 -
第150回
Apple
アップル新型「MacBook Pro」どの構成で買うべきか -
第149回
iPhone
アップル「iPhone 13」4つの魅力 - この連載の一覧へ











