このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

マルチスレッドに強いRyzen 5 2600、シングルスレッドに強いCore i5-9400F

Ryzen 5 2600対Core i5-9400Fガチンコ対決 コスパ党ならどっちを選ぶ!?

2019年05月10日 11時00分更新

文● 石川ひさよし

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

同じ予算で同等の性能を引き出すならRyzen 5 2600のほうが楽しいかも!?

 CPU性能に関して言えば、Ryzen 5 2600の魅力はマルチスレッド性能だ。現在のPCの使い方を想定すれば、ブラウザ上で表示したSNSでは逐次更新があり、チャットなどを起動させていることも多く、その上でメインの作業をするといったことが想定される。そのため、普段使いで複数の作業を同時に行なっている時の快適度は、Ryzen 5 2600に軍配が上がるかもしれない。

 メインの作業も、今ではゲームはもちろんオフィススィートもマルチスレッド化されている。また、Ryzen 5 2600は、Core i5-9400Fよりも高クロックのDDR4-2933をサポートしていることも見逃せない。今後、数年使っていくことを考えれば、同じような価格帯なら、よりマルチスレッド性能が高く、高クロックなメモリをサポートするCPUを選んでおくことでより快適なレスポンスが得られる理屈は通っている。それ以上を望む場合は、OCという奥の手もRyzen 5 2600にはある。

 ゲームに関して言えば、3DMarkよりも実タイトルでのベンチマーク結果が分かりやすいが、フレームレートに差が生じることは確かである。全体的な傾向として言えば、わずかでも高いフレームレートがほしければCore i5-9400Fのほうが現状ではよい。ただし、実際にプレイする場合の、60fpsを確保できるもっとも高い解像度と画質設定では、3~5fps程度の違いがあるかどうかといったあたりだ。

 その3~5fpsという差は、実は同じGPUでもオーバークロックすれば並び、逆転も可能なレベルである。市場には同じメーカーの同じGPUを搭載するビデオカードにもいくつかのグレードがある。クーラーの違いもあるが、実はクロックの違いであるものが多い。ここで、先に紹介したシステム価格差の話題に戻りたい。このシステム価格差は、一つ上のGPUを狙えるほどではないが、同じGPUでより高クロックのビデオカードを買える程度はある。ここで一発逆転を狙うという手もアリだ。

 また、最近ではゲームをプレイしながら実況配信も同じPCで行なう人も多い。そうした、ゲームと実況配信アプリの同時使用、もしくはゲームプレイと同時に録画といった、複数の作業を行なう際、Ryzen 5 2600のマルチスレッドが活きることもある。

 Ryzen 5 2600もCore i5-9400Fも、正直に言えば、どちらを選んでもコスパ的にはハッピーなはずだ。ただし、OCしたり、同等の性能を引き出すために高いクロックのビデオカードを組み合わせたりと、Ryzen 5 2600には「自作道」を刺激するところが多い。ベストな組み合わせを選びだし、組み上げ、通電した時の達成感はおそらくRyzen 5 2600のほうが勝るのではないだろうか。

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ