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オープンデータを活用して高校生が本格的なアプリを制作

ビジネス現場で活きるIT演習を行なう島田商業高校情報ビジネス科

2019年04月23日 11時00分更新

文● 重森大 編集 ● 羽野/TECH.ASCII.jp

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 オープンデータの整備や活用が進んでいる県のひとつ、静岡県。そこに、筆者が注目している高校がある。静岡県立島田商業高等学校だ。現代のビジネスシーンにおいてITの活用は欠かせないので、情報ビジネス科という課程を用意していること自体は珍しくないのだろう。しかしその取り組みが実に本格的なのだ。1年生、2年生でITの基礎力を身につけ、3年生はその集大成としてアプリを作り、後輩や関係者に向けてプレゼンテーションを行なう。どのようなことに取り組んでいるのか、2018年度のプレゼンテーションのレポートをお届けしよう。 ビジネス課題やターゲットの設定から始まる本格的なアプリ制作  島田商業高校 情報ビジネス科の取り組みの素晴らしいところは、与えられた課題をアプリで解決するというプログラミング演習に留まっていない点だ。数名ごとのチームに分かれ、それぞれにビジネス課題を設定、解決策や情報提供のターゲットを自分たちなりに考え、それをアプリに落とし込んで行く。

演習を率いる島田商業高校の鈴木 滋先生

 できあがるアプリの多くは、学生なりの出来と言ってしまえばそれまでだが、その制作過程をプレゼンテーションで説明できるというところが大きなポイントだと筆者は考えている。今は便利な開発プラットフォームも整備されているので、なんとなく作ってもそれらしいアプリはできあがる。しかし彼らがプレゼンテーションするアプリ群は、なんとなくでは作られていない。なぜその機能を盛り込んだのか、なぜこのような画面デザインなのか、そこには彼らなりに考えた理由がちゃんとある。

 ITをツールとして活用するスキルだけではなく、自分で課題を探し、解決策を模索し、その解決策を形にするという、ビジネスの現場で求められるスキルを身につけられる演習なのだ。

課題設定、仮説立案はファクトに基づいており説得力がある(チーム「ぎふTRIP」)

 そして、アプリ制作やプレゼンテーションに使っているツールが最先端のものであることが、この演習のもうひとつの特徴だ。アプリ制作には「Monaga」や「ニフクラmobile backend」といったmBaasを利用、クラウドを使ったモバイルアプリ開発という先端的な経験をしている。また一般的にプレゼンテーションといえばPowerPointが使われることが多いが、島田商業高校がチョイスするのは「Prezi」だ。列記したポイントにフォーカス、ドリルダウンしていくアニメーションが印象的なプレゼンテーションツールだが、クラウド上で動作し、チームでコラボレーションしやすいという現代的なツールでもある。演習の成果をアーカイブするために使っているのは、IT業界ではメジャーな「Qiita」。そして、この演習最大の注目ポイントはやはり、オープンデータの活用だろう。既存のデータを使えなかったチームでは自分たちで情報を集めてデータを作っていたが、約半数のチームがオープンデータを活かしていた。

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