そろそろ日本を狙い撃つ攻撃に警戒を
インフラと化したLINEを狙ったウイルスが存在する
2019年05月09日 07時00分更新
日本で売られたスマートフォンがターゲットとなりうるウイルスが存在します。特筆すべきはLINEの連絡先や通話履歴を収集しようとすることです。
LINEがない生活なんて考えられない!?
スマートフォンでよく使うアプリは人それぞれ違います。ショッピングを楽しむ人はメルカリやAmazon、道に迷いやすい人ならグーグルマップが手放せないでしょう。しかし、ほとんどの人が好き嫌いを越えて常用しているレベルとなると、コミュニケーションアプリのLINEを抜きには語れません。
LINEの発表によれば昨年、日本では月に一度以上利用したユーザーの数は実に7900万、そしてそのうちの77%が毎日使っているというのですから驚きです。もはや私たちの暮らしに欠かせないインフラの1つと言えます。
となると俄然、悪意を持つ人たちの目にも留まりやすくなります。とはいえ、新種のマルウェアや情報の盗み見の新手段は、利用者の多い言語、つまり英語圏発のサービス/アプリにまず狙いを定めますから、結果的に日本語圏発のサービス/アプリは後回しという名の防波堤に守られています。
そろそろ日本を狙い撃つ攻撃に警戒を
ところが、恐るべきことに日本も攻撃目標にしている可能性のあるウイルス(マルウェア)が昨年発見されました。それは国内通信キャリアから発売されたスマートフォンがターゲットになる可能性があり、しかもAndroid OSのアップデートが終了し、セキュリティの穴が塞がれていないまま利用されている比較的旧型のスマートフォンに狙いを定めています。感染のしやすさを最優先した巧妙なウイルスと言えるでしょう。
このウイルスは、アプリを装ってスマートフォンに侵入すると、保存している位置情報をはじめとした個人情報を収集するだけでなく、カメラやマイクを操って密かに写真を撮ったり、録音するといった機能まで備えています。そして何より驚くのはLINEの連絡先と通話履歴が収集ターゲットに入っていること。家族や同僚といったリアルな人間関係だけでなく、LINE経由で知り合ったインターネット上の友だち関係ごとそっくり盗まれてしまいます。
幸運なことに今のところ被害の報告は出ていません。しかし油断は禁物です。2020年に向けて世界の目が日本に向く以上、今後も日本を第一目標とするウイルスの登場には警戒が必要です。スマートフォンのセキュリティの穴を放置せず、セキュリティ対策サービスをきちんと利用することが対策の第一歩です。
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