非常用にデータ容量が極端に少ないプランもある
ほとんど使うことはないが、いざというときにSIMは確保しておきたいという用途には、データ容量が少なくても維持費が安いプランが望ましい。
nuroモバイルの「0 SIM」なら、データ回線で月間500MB未満は無料で維持できる、まったく使わないと自動解約になるほか、データ通信を使えば最大1600円かかる。
また、b-mobileの「ジャストフィットSIM」は音声通話に対応した格安SIMで、データ量が1GB未満なら月額990円で維持できる。ただ、15GBまで段階的に費用が上がるので注意が必要だ(6GB/10GBまでの上限設定は可能)。
もともと低容量のプランではnuroモバイルの「お試しプラン」は200MBの高速で利用できる通信量付きでデータSIMなら月額300円、音声通話付きなら1000円となる。楽天モバイルは「組み合わせプラン」のなかに高速データ容量がまっったくない「ベーシックプラン」がデータ回線で月額525円、音声通話付きなら月額1250円で用意される。
低容量プランで注目なのが、LINEモバイルの「LINEフリー」プラン。データ回線なら1GBの通信量があって月500円、しかも、SMSなしでもLINEアカウントが作成できて、LINEのサービスを使っているぶんは通信量がカウントされないというプランだ。適当なスマートフォンが用意でき、LINEだけは存分に使いたいというニーズにはぴったりだ。
そのほか、特殊な利用法に対応するプランもある
格安SIMにはかなり特殊なプランも存在する。音声通話の電話番号を極めて短い期間使いたいニーズにはb-mobileの「START SIM」という短期解約時の違約金がないプランが存在する。短期解約でも違約金がないのはmineoやイオンモバイルも同様だが、短期でMNPで転出しても、費用が高額にならないのがSTART SIMの特徴である。
また、IoT機器に適したプランもある。格安SIMとは言えないが、個人が気軽に実験に利用するにはIIJmioにIoT向けのMVNOサービスが用意される。月額100MBで年間2400円の「いちねんプラン」や、データをネットに上げるために有利な「上り高速プラン」が用意され、通常の格安SIMのデータ回線よりも安く利用できる。監視カメラをLTE回線に接続する場合にも便利そうだ。
安さだけでなく、特徴的なサービスでも選ぶ時代
以上のようにMVNOである格安SIMは、料金もさることながら、オプションサービスや特徴的なサービスで選ぶ時代になっている。回線速度ももちろん重要だが、オプションサービスや特徴的なサービスのために回線を選ぶということもあっていい。
今後、3大キャリアから分離プランとして月額費用が安くなったプランが登場する見込みだが、MVNOの格安SIMのなかには特徴的なサービスで対抗するところもあるかもしれない。新たなサービスの登場に期待したい。
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