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フェイスブック、深層学習で作ったアフリカ人口密度マップを公開

2019年04月11日 07時53分更新

文● Karen Hao

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フェイスブックが衛星画像と深層学習を組み合わせ、アフリカの大多数の国の人口密度を示した最新地図を作成し、4月9日にリリースした

この地図が重要なのは、政府や非営利団体には正確な人口密度図が必要だからだ。従来の地図には載っていない地域に人道支援や医療、その他のリソースを配分する際の調整に有用なのだ。フェイスブックによると、作成した他の地域の地図はすでに、タンザニアの農村に送電する取り組みの支援や、マラウイでのはしかの集団予防接種の調整などに役立っている。

この地図は、フェイスブックが以前リリースした同様の22カ国地図を基にしたものだ。もともとは、より多くの人がインターネットにアクセスできるようにする取り組みがきっかけだった。最終目標は、全世界地図の作成である。

この地図は次のようにして作られた。最初にフェイスブックのワールドAI(World.AI)グループのチームがニューラル・ネットワークを訓練し、衛星画像内の土地一帯に家屋が含まれているかどうかを認識できるようにした。訓練のために、研究チームはクラウドソーシングを使ってオープンストリートマップ(オープンソースの地図作成プロジェクト)から得られた1億以上の家屋の座標を衛星画像に重ね合わせて訓練用データセットを作成した。研究チームはさらに昔ながらのコンピューター・ビジョンの手法を使って、家屋なしとラベル付けされた画像に家屋の印であるような多角形状のオブジェクトが含まれていないかどうか確認した。フェイスブックによると、結果として得られた深層学習モデルは、テスト中に精度が99%以上にまで達した。最後に、アフリカ大陸の衛星画像を30メートル×30メートルの領域に分割し、ニューラル・ネットワークを使って正確で高解像度の人口密度図を完成させた。

深層学習を利用して衛星画像から情報を抽出しているのは、フェイスブックだけではない。プラネット(Planet)やデカルト・ラボ(Descartes Labs)といったテック企業も同様の手法を使って作物を分類したり、再生可能エネルギーの導入を追跡したり、生態系を監視したりしている。マイクロソフトも昨年、深層学習モデルを訓練して米国内にあるすべての建物の占有面積の包括的なデータ・セットを構築した。

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