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趣味の範囲内であれば幅広い用途に使える低価格23.6型ディスプレー

2万円以下でゲームや写真・動画編集など多趣味に使える144Hzディスプレー

2019年04月11日 07時00分更新

文● 貝塚 編集●八尋/ASCII

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Photoshopの画像編集がしやすい!
ただし、正確な色が必要ならIPSパネルのほうがいい

高いダイナミックコントラスト比を誇り、Photoshopなどで画像編集がしやすい

 私の業務上、よく使うソフトは「Photoshop」だ。言わずと知れた画像編集ソフトだが、編集者をしていると、記事を作るたびに画像を編集する機会がある。まず画像を開いて見て感じるのは、80000000:1というダイナミックコントラスト比の高さだ。

 本機はTNパネルを採用しているため、IPSパネルのように深い黒やグラデーションの表現力という意味では、高価なディスプレーに対する大きなアドバンテージは、残念ながらない。

 しかしながら、ダイナミックコントラスト比が高いため、IPSパネルと比較すると、明度が高く、明暗差がはっきりとついたような描写になる。TNパネルでコントラスト比が低いモデルと比べると、その差はよりわかりやすい。

 正確な色を確認しながら、編集を進めることにこだわるなら、むしろ逆効果になってしまう可能性もあるが、くっきりとした映像を確認しながら画像を編集できるのは、ウェブコンテンツの制作に限っていえば、気分もよく視認しやすいと感じた。

 例えば、室内で撮影された写真など、黒つぶれが生まれやすい写真の場合、暗くなって潰れているように見えがちな部分が、浮かび上がって見えやすくなる。

 ほかのモニターで確認すると潰れて見えるため、あまり意味がないようにも思えるが、本来ぼかしをかける必要があるのに、黒つぶれが起きていて、見逃してしまう可能性のある部分を含んだ写真などには、有効ではないだろうか。

用途に合わせたプリセットモードも用意

 また「ゲーム」「映画」「ウェブ」「テキスト」「モノ」「Mac」というViewSonic独自のプリセットモードが搭載されている。この機能を使うと、色温度やコントラストが変更されるため、自分の環境と異なるディスプレーを使った時に、写真がどのように見えるかが想像しやすい。

 普段見ている写真を、異なった角度(モード)で見比べられるのが、写真の編集作業で本機を使うメリットといえるだろう。一方で、はじめに書いたように、正確な色を確認しながらの作業が最重要なら、この使い方は向かない。極限まで正確な色情報の描写が求められる作業、例えば、印刷物向けの写真の編集などには、それ専用のチューニングがされた製品を使う方がいいだろう。

ハイリフレッシュレートのメリットは?

 144Hz駆動に対応しながら、2万円を切る価格で購入できる本機。ゲーミング用途以外でリフレッシュレートの高さを行かせるのは、動画の編集や視聴だ。多くのパソコン向けディスプレーは60Hzのリフレッシュレートを採用しているため、仮に動画がそれ以上のフレームレートを持っていても、60Hz以上の滑らかさは実現できない。

 反対に考えれば、60Hzで確認ができれば、ほとんどの環境で違和感のない映像を作成できるということになるが、最近では120Hzでの動画撮影に対応したカメラも増えてきている。ソフトウェア上では120Hzで描画されているのに、ディスプレーのせいで、60Hzでしか確認ができないというもどかしい状況を解決するのにも、本機は有効だ。

 60Hzと144Hzの違いは、実際に観てみると明らか。60Hzしか観ていないと、60Hzでも特に変わったところは感じないのだが、144Hzの映像を見た後で60Hzの映像を観ると、実は60Hzの映像は、フレームとフレームのあいだに、抜けや飛びが随分あったことに気がつく。

 ハイリフレッシュレートでのゲームプレーに慣れている人なら、ごく当然の話かもしれないが、リフレッシュレートを気にせずにいた人にとっては、はじめて観ると、衝撃を受けるほどの違いが感じられるはずだ。

 Adobeの「Premiere」やアップルの「Final Cut」での映像編集を頻繁にする人にも、ぜひ試してほしい(その場合、もちろんPC本体も高いリフレッシュレートで映像を描画できることが前提となるため、一度自身の環境をチェックしてほしい)。

ゲームだけでなく、写真や動画編集にも使ってみよう

ゲームだけでなく、趣味の範囲で動画や写真の編集がしたいという人にもオススメ

 ゲーミングディスプレーだが、ゲーム以外の作業でメリットがあるかという視点でまとめた。本稿で書いたように、写真や動画編集でもメリットが受けられるため、ゲームだけでなく、ほかの用途でも使いたい人は、参考にしてほしい。

 ただし、色の再現性や正確さに関しては、「味付け」がある製品だから、そこにこだわるなら、より適した製品を選んだ方がいいだろう。

 ViewSonic VX2458-MHD-7は、ゲーミングディスプレーとして楽しみつつ、ほかの作業にも活かせるかどうかと考えれば、一般的なディスプレーにはない魅力もあるため、満足がいくのではないだろうか。また、手持ちのパソコンが、実現したいことの要求スペックを持っているかどうかも慎重に確認しよう。

 ぜひ一度店頭で描画性能を確認して、好みに合うかなども考慮に入れた上で、購入を検討してほしい。

試用機の主なスペック
製品名 VX2458-MHD-7
画面サイズ 23.6型
表示解像度 1920×1080ドット
視野角 水平170度、垂直160度
輝度 300cd/m2
ダイナミックコントラスト比 800万:1
コントラスト比 1000:1
入力端子 HDMI 1.4×2、DisplayPort 1.2×1
インタフェース ステレオミニジャック×1
サイズ/重量 およそ幅558.7×奥行229.65×高さ422.4mm/」約4.08kg(スタンドを含む)
付属品 電源ケーブル、HDMIケーブル、HDMI-DVI変換ケーブル、DisplayPortケーブルほか

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