2月末のMWC19に合わせて発表された、ファーウェイ「HUAWEI Mate X」は“フォルダブルフォン”、折りたたみスマホなどとも呼ばれる新しいジャンルの端末である。今夏にも発売が予定されている(国内リリースについては未公表)、このHUAWEI Mate Xの実機を試す機会が得られたので、写真を中心にお届けする。
ディスプレー側が折れ曲がるのがライバルとの違い
大画面をどう活用するかがカギ
フォルダブルフォンはサムスン電子からも「Galaxy Fold」が発表されているが、そのGalaxy Foldと異なる部分がディスプレーが外側になる“山折り”の形で端末を折りたたむ点。広げると正方形に近い8型(2480×2200、8:7.1)となり、閉じた状態では6.6型(2480×1148、19.5:9)、6.38型(2480×892、25:9)の両面ディスプレーとなる。さらにもう1枚ディスプレーを用意しなくても、折りたたんだ状態で普通の大画面スマホとして利用できるのはメリットだ。
発表会では、折りたたみ部分は100以上の部品で構成されていると紹介されていた。折りたたみの操作は若干硬めであるものの、違和感なく広げることができる。ディスプレー側が曲がる、つまり画面の真ん中部分が若干伸びるわけで、よく見ると多少表面に余裕があるように見えるが、画面を表示させると有機ELの鮮やかな表示も加わって、まったく気づかなくなる。少し不思議な感覚だ。
カメラは広げた状態の背面の端に用意されており、Leicaトリプルカメラであることがわかる(画素数などの詳しいスペックは未公表とのこと)。画面側にカメラは無いので、セルフィーでは、折りたたんで6.38型の画面を見た状態で撮影する。また、折りたたんだ状態では両面ディスプレーなので、他者を撮影する場合は被写体側もどんな風に撮られているかを見ることができるのが面白い。
本機でキーとなるのは、正方形に近い縦横比での大画面の活用になるだろう。縦に2つのアプリを表示させたり、PC向けウェブサイトを閲覧したりと、利便性が高い使い方はいろいろ思いつくが、それはあくまで現時点での発想。これまでのスマホともタブレットとも違うスタイルなので、どういう用途を提案できるか、アプリ開発者がどう開拓するかで、端末自体の魅力が大きく変わりそうだ。
また本機は5Gサポートという点も特徴となっている。Kirin 980に加えて、Balong 5000と名付けられた5Gモデムの組み合わせで、ミリ波を含む5Gネットワークに対応する。国内での発売はキャリアの5Gサービス開始のタイミングとも関係するかもしれない。
欧州での価格は2299ユーロ(29万円弱)と、正直手が届きにくい製品なのは間違いないが、スマホの登場以来、最大と言ってもいい規模のスタイルの変化が生じようとしているだけに注目製品なのは間違いない。