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ジャガーが発売したフルバッテリーEVに乗ってみたよ

ジャガーの電気自動車「I-PACE」 試乗レポート = 恐るべき加速とラグジュアリーの合体だ!!

2019年03月29日 11時00分更新

文● みやのプロ(@E_Minazou)+ アスキー自動車部

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 ジャガーのフルバッテリー電気自動車(BEV)である「I-PACE」はすでに日本でも昨年9月より受注を開始している.同社は来年以降に発売するすべての新車にEVのオプションを設定する予定で、つまり、今後、全車種でハイブリッドまたはBEVが選択できるようになるのだ.

 今回、「I-PACE」の試乗会に参加したので、市販モデルの試乗レポートをおおくりしよう.

「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2019」を受賞した
フルバッテリーのラグジュアリー・スポーツなのである

 英国およびフランスでは2040年、ドイツでは2030年、そしてノルウェーでは2025年までにガソリンおよびディーゼル車の新車は販売禁止となる.つまり6年後から徐々に欧州では内燃機関のクルマは発売できなくなるわけだ.

 昨年来、欧州の自動車メーカーが一斉に「電気化」に大注力しているのはそれが理由で、さらに大きな市場である中国とインドも同様の規定を検討中なのである.

 そんな中、ジャガーが発売したI-PACEは欧州のモータージャーナリストが選出する「ヨーロッパ・カー・オブ・ザ・イヤー2019」を受賞した.すでに8000台を出荷しており、欧州でのBEVのシェア75%を占める.ジャガーらしい高いデザイン性と動力性能を兼ね備えているのが大きな魅力なのである.

 主な仕様としては、全長:4695ミリ、全幅:1895ミリ、全高:1565ミリ、ホイールベース:2990ミリで、総重量は2505キロである.

 外観は,まずキャビンを前方に押し出した「キャブフォワード」スタイルで、エンジンがないぶん、ボンネットが短く、フロント・リアともにオーバーハングが少なく、つまりキャビンが前後に大きくとられているように見える.

電気自動車の特徴を生かしたデザインでとてもスマートに感じられる.

 SUVのカテゴリーながら、ちかづくと車高が低いのも面白い.当然、ドアを開けて乗り込むのは「のぼる」感じではなく、とても乗降しやすい(後で知ったのですがエアサスモデルは乗降時に40ミリ車高が下がるためかもしれません・・・).

フロントはおなじみジャガーのデザインでネコ科の顔をしている.ボンネットには空力特性を向上するための空気流通経路が空いている.

 運転席に座って、Powerスイッチを押すと、まず目に入るのは3つのディスプレーだ.

 センターの上部には10インチの「タッチプロスクリーン」があり、ほとんどの操作はここでおこなう.ハンドルの前方には12.3インチの「ドライバーディスプレイ」があり、基本情報とともにカーナビの指示も表示される.中央の下には5インチのタッチプロスクリーンがあり、ここにはエアコン情報が表示されている.

乗り込むと、まずドライバーディスプレイに重要な情報が表示される.

3つのディスプレイでちょっとニギヤカですね.センターの2つはもちろんタッチで操作できます.

 さらに、始動するとフロントグラスにヘッドアップディスプレイが浮かび上がり、速度やナビ情報など最小限の情報は目を落とさずに知ることができる.

 左手の部分にはシフトレバー(ジャガーの場合元々ダイヤルだが)はなく、D,N,R,Pの4つのボタンが縦に並んでいる.Dボタンを押して、アクセルを踏めば無音で発進する.

 この「無音」で動くのはなかなか感動である.走りはじめてもエンジンの回転音はしないから、聞こえるのはタイヤが地面を転がる音だけである.

 ちなみに、I-PACEでは設定によって、人工的な「音」を発生することもできる.最大にすると、いかにもモーターが回っているようなミュ~~~ンという音がたぶんスピーカーから出てくるのだが、これは要らないでしょうと思った.

 デジタルカメラの人工シャッター音のように、ジャガーの往年の名車の「音」を選べるようにしてくれると楽しいかもしれない.

疑似エンジン音は「インテリア・サウンド」という名称で、大きさは3段階に指定できる.できたら「ジャガーDタイプ」とか往年の名車音を入れておいていただきたい.

おそるべし無限加速の世界
設定もたくさんあって楽しい

 赤信号からの発進にしても、首都高速での加速にしても、アクセルを踏んだときの加速感はとにかす「スゴ」い.

 資料によると、最大トルク696Nmで最高出力400PSで0-100キロ加速はなんと4.8秒である.これはいわゆるスポーツカーの値である.ちなみにジャガーのF-TYPEの3リッタースーパーチャージドモデルで最大トルク460Nm、380PS、5.1秒であるからして、自社のスポーツカーを超えてしまっていいのかという性能である.

走行中(止まっていますが)のドライバーディスプレイはこんな感じで、左にレーン情報、右にナビ.

センターには地図情報とともに、同じナビの指示が表示される.

 駆動モーターは前後の車輪の間にあり、全輪駆動で、サスペンションはスプリングとエアサスを選択できる.今回はエアサスモデルに試乗したが、動力性能とはうらはらな「ラグジュアリー」な乗り心地.まさにジャガーらしいプレミアムなSUV(というか車高の感じからするとセダン的)を運転している気分になれるのだ.

リアから見ると、ちょっとお尻が横に膨らんだデザインです.

 このあたりはすべて個人設定として変更が可能である.「駆動モーター」、「ステアリング」、「サスペンション」についてそれぞれ「コンフォート」と「ダイナミック」を指定できる.すべての項目で両方の設定を試してみたが、どれもかなり「味」が変わる.すべてをコンフォートにするとまさに高級サルーンを優雅に運転している気分になる.おじさんとしては「中間」の値も指定できるとうれしいかもしれませんですはい.

ダイナミックに指定するとグラフィックスのその部分が赤く表示されて萌えるのだった.

 EV設定という項目では、「車両クリープ」と「回生ブレーキ」の設定ができる.クリープをOFFにすると、ブレーキを離してもクルマは微動だにしない.これがBEVの運転方法なのだとしても、日頃ガソリン車に乗っているおじさんはちょっと運転しにくいですね.つまり、ブレーキペダルだけでチョット前に出たり止まったりができないわけですから.

 逆に、アクセルペダルだけで運転しようよというのが「回生ブレーキ」の設定です.こちらを「高」にすると、アクセルペダルを緩めるとともにブレーキを踏んでいるかのような減速がかかります.これは慣れれば便利そうですね.

おじさんはクリープがないとちょっとめんどくさかったですね.坂道発進で、20年ぶりに後ろに下がりそうになってちょっとビビリました.

 ノロノロの渋滞時に、ブレーキペダルとクリープ現象で運転するのか、アクセルペダルと回生ブレーキで運転するのかという選択を迫られるわけですね.自動車学校でクリープ現象とか教わりましたが、これからはBEVの運転方法を教えないとだめですね.

内装ホワイトだとブルーの車体とこんなコントラストになります.やはりSUVというよりハッチバックな感じですよね.

後部座席は足元も頭上も余裕がありました.リアシートの下が物入れになっているのも便利そうです.

やはり懸念は航続距離
充電場所がもっと欲しいですよね

 I-PACEには90kWhのリチウムイオンバッテリーを床下に搭載している.ほぼ600キロの重さがあるそうだ.

 満充電での航続距離は438キロ(国交省審査値)である.東名高速でいうと東京から京都までになるが、ガソリン車の燃費と同様に運転のしかたによって増減するものだ.

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 充電は家庭の7kWACでは0から100%まで12.6時間かかる.50kWDCの日本の高速充電規格CHAdeMOでは0から80%まで85分である.この容量までは直線的に充電されるであろうから、50%まで50分という感じである.

 日常の通勤やお買い物なら、夜間に自宅で充電してあればまったく問題はない.長距離ドライブのときに充電の心配をするのが面倒なのだが、日本モデルではカーナビにきちんと充電施設の情報が入っており、バッテリの残量を考慮したルート設定もしてくれるそうだ.

 また、日本でI-PACEを購入するとNCS(日本充電サービス)対応の充電施設で使える充電カードがもらえる.急速充電は全国で6000カ所、普通充電は7500カ所ある.

リアの荷物室は656リットルで、シートを倒して最大1453リットルになります.

フロントにはエンジンのかわりに27リットルの物入れがあります.なにを入れるといいんでしょうかね.

 ちなみに、I-PACEには4Gの通信機能が搭載されていて、3年間は通信料金無料で、タッチ型ディスプレイやバッテリーのコントロールモジュール、テレマティクスユニットのソフトウェアは自動でアップデートされる.

ジャガーとしてははじめてApple Car PlayとAndroid Autoを標準搭載しています.

 また、車両登録から5年間は走行距離無制限の新車保証が、8年以内または走行距離16万キロ以内でバッテリー容量が70%を下回った場合はバッテリー保証が効くのだそうだ.お値段は960万円からとなかなかステキだが、ここは思い切ってBEVにしてしまうのも楽しいに違いないのである.

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