オーバークロッカーNick Shih氏プロデュース!
Core i9-9900Kで5GHzをキープ! OCでも安定動作のサイコム×ASRockコラボPCがすごい
2019年03月12日 07時00分更新
高負荷でも5GHzをキープ
温度もしっかり低くおさえられている
OCで気になるCPUの発熱を調べてみようと思ったのだが、Core i9-9900KにとってCINEBENCH R15の負荷は軽すぎて、温度が上がりきる前にテストが終わってしまう。そこで非公式とはなるものの、CINEBENCH R15の負荷を4倍に改造したというGuru3Dの「Cinebench R15 Extreme Edition」を6回連続実行し、高負荷時の動作クロックとCPUの温度を「HWiNFO」を使ってチェックしてみた。
HWiNFOのグラフ表示機能を使って表示したのが上の図だ。上が動作クロックを表しているが、5GHz一定で動作しているというのがわかるだろう。下はCPUのパッケージ温度で、OC状態だというのに最大で約85度におさえられている。簡易水冷クーラーがしっかりと高負荷のかかったOC状態のCPUを冷却できているというのがわかる結果だ。
OCでは安定動作させるためにCPUに加える電圧を上げたりするのだが、その分発熱が一気に大きくなる。それだけに、高クロックを維持しながらしっかりと温度も低くおさえられているというのは、安心して使える目安となる。無責任に動作クロックを上げているのではなく、ちゃんと実利用も考えられたOCになっているといえるだろう。
ちなみに、今回テストした機材に搭載されていたビデオカードはG-Master Spear Z390 Taichi OCの標準のもので、GIGABYTEの「GV-N2060OC-6GD」となっていた。NVIDIAの最新となるGeForce RTX 20シリーズのミドルクラスモデルのGeForce RTX 2060を採用したもので、標準では動作クロックが1680MHzとなっているところ、1755MHzへとオーバークロックされたモデルとなる。CPUだけでなくGPUもOCされているわけだ。
ミドルクラスの製品とはいえ実力は本物。RTコアやTensorコアを搭載し、期待のDXRやDLSSに対応しているのはもちろん、基本的なゲーミング性能も高い。試しに「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」(FF15ベンチ)を動かしてみたが、高品質設定でフルHD(1920×1080ドット)ならスコア7899の「快適」、2560×1440ドットにしてもスコア5575の「やや快適」、さらに4K(2840×2160ドット)でもスコア3217の「普通」になるなど、かなり高い性能となっていた。
ハイエンドPCのさらに上の性能が欲しい人や、OCの入門用に
Core i9-9900Kを超える性能を望むなら、サーバー向けのCPUに手を出すしかないというレベルにまで来てしまっているが、OCモデルのG-Master Spear Z390 Taichi OCであれば、この超性能が簡単に手に入る。本来であれば自己責任となるOCも、サイコムとASRockとのコラボによって安全に使えるというのが最大の魅力。とにかく高性能がほしいという人はもちろんだが、十分な冷却性能を備えているマシンだけに、これを機会にOC設定をチャレンジしたいという人にも面白いモデルといえるだろう。
今回はOCモデルのためおもにCPU性能部分に焦点をあててチェックしたが、次回はもう少し周辺部分も含めた使い勝手の面を中心とした点を見ていきたい。