バッテリー問題をどう解決するか:
Apple Watch睡眠トラッカーへの期待
2019年03月12日 09時00分更新
●アップルはいかに問題解決をするか
なんとなく懐かしく感じるのは、iPhoneの黎明期。日本のケータイやスマホに比べて、iPhoneは明らかに電池の持ちが悪く、モバイルバッテリー市場が花開いたのは皮肉な話です。
東日本大震災を学会発表中のつくばで迎えましたが、当時使っていたiPhone 4の電池が切れ、エネループからUSBで接続で充電して、家族との連絡やウェブなどでの最新情報の取得などに役立ちました。
以来モバイルバッテリーは必携ツールとして持ち歩いていますが、iPhone 7 Plusごろから、ほとんどモバイルバッテリーに頼らず1日を過ごすようになりました。同じようなことが、手首に装着するApple Watchにも起きるとすれば、そろそろ数日、数年後には1週間電池が持つような仕様に進化しているのではないか、と期待しています。
バッテリーを長持ちさせるには、画面サイズを拡大してバッテリー容量を増やしながら、ディスプレーやプロセッサ、センサー、ワイヤレスなど電池を食うパーツの省電力化に努め、さらに使用者の状態から、デバイスを最大限に「サボらせる」ことです。
2018年モデルのApple Watchは、ディスプレーサイズをこれまでの42mmから44mmに、38mmから40mmに拡大させました。有機ELディスプレーは確かに省電力ですが、マイクロLEDなどさらに効率のよいディスプレーへの移行も可能でしょう。通信部分についても、アップルは積極的な自社開発に乗り出しています。
あるいはiPhoneがベッドタイムに入ると、Apple Watchも通知の音や感触フィードバック、ディスプレー点灯などをオフにして、ユーザーとともにApple Watchも眠るような睡眠計測向けの省電力モードに入る、というのも良さそうなアイディアです。
どんな技術とアイデアで、Apple Watchのバッテリ問題を解決し、睡眠計測機能搭載にこぎ着けるのか、非常に楽しみですね。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。米国カリフォルニア州バークレーに拠点を移し、モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura

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