「分離プラン」の義務化により、回線契約とセットにした端末値引きが無くなる時代が近づいている。とはいえ、MNOであるドコモ/au/ソフトバンクの3大キャリアがサブブランドや格安SIMよりも安価な料金になることは考えにくい。そんな微妙な時期ではあるものの、通常は競争が熾烈な3月の春商戦、格安SIMへの乗り換えは得なのか、気になるポイントや予想部分も含めて考えた。
現実問題として
3大キャリアから離れないほうがプラスな人もいる
最初に、ドコモ/au/ソフトバンクといった3大キャリアから離れないほうが良さそうな人の条件をあらためて見る。以下のような条件に該当するのであれば、同様の機能がないMVNOの格安SIMはもちろん、サブブランドへの乗り換えも注意したい。
・海外利用で割安な定額パケット料金や音声通話を利用する
・小学生向け携帯電話(キッズケータイなど)を利用する人と保護者
・事業者決済サービスを活用している
・年齢認証が必要(主にLINE)
・通信速度が混雑時でも遅くなるのは困る
・フィーチャーフォン(ガラケー)での通話がメイン
・最新iPhoneや上位スマホを割安または分割で購入したい
上記条件がなければUQ mobileやY!mobileといったサブブランドに乗り換えても大丈夫だろう。さらに下記の条件にも当てはまらないというなら、MVNOの格安SIMに乗り換えても大丈夫ということになる。
・キャリアメールが必要
・混雑時の極端な速度低下が許せない
・通話時に余計なアプリを使ったりせずに定額で利用したい
サブブランドや格安SIMにも回線契約とセット値引きがある
続いて、サブブランドやMVNOの格安SIMの現在の状況を見る。大手メディアを見ていると、ドコモ/au/ソフトバンクの3大キャリアだけに、手厚い端末購入補助があるような印象を持ってしまうが、実際はそんなことはない。サブブランドにも同様の割引は存在しており、それが話題にならないことが不思議なほどだ。
具体的にはUQ mobileの「マンスリー割」、Y!mobileの「月額割引」があり、割引と相殺して端末が実質0円のようなケースもある。しかも販売店によっては、一部の端末を一括0円で提供するところもあり、そうした購入方法では割引だけが残って月々の費用が安くなる。
たとえばUQ mobileにおいて、マンスリー割が月額1404円の機種を新規加入で一括0円で購入すれば、さまざまな割引を入れて最初の1年間は「おしゃべりプランS」で月額736円。毎月3GBの高速データ通信と1回5分までの通話が無料ということになる。こんな有利な条件で提供されていることもあるのは事実だ。
一方、MVNOの格安SIMにも契約を前提にした、端末の特価提供は存在している。特に目立つのはNTTレゾナントが運営する「goo Simseller」で、OCN モバイル ONEの音声SIM契約と端末の同時購入で通常より大幅に安くSIMフリー端末を販売している。楽天モバイルも回線契約とセットで大幅値引きがある。
家電量販店店頭でSIMフリー機を購入する際、指定の格安SIMに加入すると値引きがあることもよく見かける。加入を条件とした端末購入補助は格安SIMにも広がっているのだ。

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