試験運用は成功と見なされたが、プライバシー保護活動家の批判の的となっているとBBCは報じている。
イングランドのヨークシャー地方のとある刑務所で、昨年12月から1月にかけて6週間にわたり、770人の面会者が顔をスキャンされた。偽名を使ったり、何人もの囚人に繰り返し面会したりしていないかチェックするためだ。一部の面会者は、顔認識ソフトウェアが使用されていることを知って引き返していった。
昨年は、2万3000個を超えるドラッグの包みや携帯電話が、刑務所職員により没収された。一昨年の没収数と比べて、約4000個も増加した。英国法務省によると、刑務所での面会は、禁止品をこっそりと持ち込むために非常によく使われる手段だという。
非営利団体のビッグ・ブラザー・ウォッチ(Big Brother Watch)は、「基本的人権に対する実験的なアプローチ」だたとして、英国政府を非難した。英国政府のスポークスパーソンがインデペンデント紙に語ったところによると、政府は顔認識技術の幅広い導入に先駆けて、「低人権環境」における顔認識技術の使用に対し、国民の支持を得ようとしていたという。さらに、英国の警察も、ここ数カ月間、顔認識技術の試験運用をしている。
顔認識技術の利用をもっとしっかり監視・規制してほしいという要求が、米国において特に高まっている。警察に顔認識技術を提供しているとして批判の的となっていたアマゾンでさえ、先月、顔認識技術の規制を求めたことにより、規制派の一員に加わった。
BBCの報道によると、英国政府の閣僚らは今回の顔認識技術の試験運用計画を成功と見なしており、顔認識技術をより広く、全国的に配置していくことを計画しているという。